蒼い悪魔の終演
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れを支え合う。
「終わらないよ……永遠に……!」
ハルトとトレギアはその姿勢のまま、しばらく睨み合う。
耳が痛くなるほどの沈黙。
煙と陽炎により、トレギアの姿が薄っすらとし、またはっきりとする。繰り返される中、ハルトとトレギアは沈黙を貫く。
そして。
「はあああああっ!」
「ああああああっ!」
ハルトとトレギアは、同時に次の手を繰り出す。ハルトのメインは蹴り、一方のトレギアは手刀。
「はあっ!」
指輪の魔法使い、ウィザードとして長らく戦ってきたからこそ、足蹴りを中心とした戦い方が染みついていた。
一方のトレギアは、戦闘能力こそは高いものの、肉弾戦事態には慣れていない。生身の人間が相手とはいえ、すぐに圧倒されていく。
「ぐあっ!」
とうとう、ハルトの足蹴りがトレギアの腹を貫いた。
怯んだトレギアへ、ハルトはさらに蹴りを続ける。連続蹴りの末、ハルトはトレギアの胸を足場に跳び上がり、バク転。
「だああああああっ!」
その流れで体を回転させ、ストライクウィザードと同じ要領で跳び蹴りを放つ。
トレギアの胸に炸裂した蹴りが、彼を大きくのけ反らす。もしも今ストライクウィザードを使えればと唇を噛み、ハルトはジャンプで飛び退いた。
ハルトが飛びのいた地点を、トレギアの手から放たれた閃光が切り裂く。
「今までのトレギアの攻撃とは全然違う……!」
「まだだ……まだだっ!」
さらに、トレギアの攻撃は続く。
これまでの仮面を付けたトレギアの攻撃は、蒼く暗い雷や、禍々しい斬撃などが多かった。
だが、仮面のないトレギアの攻撃は、水色の光線がメインとなっていた。
「来る!」
ハルトはバク転を繰り返し、それを避ける。ハルトの周囲に着弾した光線は、そのまま爆発していくが、決してハルトに命中することはない。
業を煮やしたトレギアは、ジャンプ。物理法則では理解できない飛行能力で、一気にハルトへ接近。
「っ!」
バク転から直立したハルトは、慌ててトレギアの腕を掴む。
ハルトの顔を狙った腕をそのまま放り投げ、ハルトはさらに回転蹴りでトレギアとの距離を引き離した。
「攻め手がない……」
ハルトは息を切らしながら思わず呟いた。
仮面の力を失ったものの、トレギアには種族由来の豊富な技が取り揃っている。
だが、指輪を持たない生身のハルトには、トレギアを倒す手段が……。
「……」
「どうしたんだい? 松菜ハルト君!」
トレギアの手に、円盤の形をした光が現れる。円周はギザギザにできており、まるで鋸を円形にしたようだった。
放たれた、光輪。避けたハルトの背後にあった瓦礫を粉々にしたその威力
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