暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第133話:目は曇り、耳は塞がる
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突然現れては場を引っ掻き回すようなウェル博士の行動・言動に、流石のレイアも判断に迷ったのかキャロルに指示を仰いだ。これが無力で無関係な人間であればさっさと始末するのだが、ネフィリムと左腕を融合させている事が判断を迷わせた。
「敵でも味方でもない。英雄だ!!」
声高らかに耳元で宣言するウェル博士に、キャロルは堪らず顔を顰めた。
「だったら英雄様に、さっきよりデカいのを喰らわせてやる!!」
別にウェル博士の言葉はクリスに向けたものではないのだが、もう彼の声を聞くのはうんざりだと言わんばかりにクリスは先程よりも大型のミサイルを両肩に担いで発射しようとする。
それを見て透は慌ててクリスを宥めた。正面から抱き着く様にして、彼女の視界と動きを纏めて阻害する。
「な、何すんだ透!? 邪魔すんな!!」
「このおっちょこちょい!? その少年がお前を守ろうとしてる事も分からないのか!?」
「あぁ!?」
透の行動を理解できなかったクリスに対し、彼の行動の意味を正しく理解したのは皮肉にもこの場で一番最後に姿を現したウェル博士であった。
「ここが何処だか忘れたのか? ここは海の底だぞ。そんなものを使えば、施設も! 僕も! お前たち自身も海の藻屑だぞ!……なんてね」
それは事実かもしれないが、同時にクリスに大技を使わせないようにする為の心の鎖でもあった。こう言えば彼女達はもうこの施設の中で大規模な攻撃は使えない。彼女達を甘っちょろいと判断したからこその発言である。
そのやり取りも、キャロルにとっては最早煩わしい以外の何物でもなかった。目的のヤントラ・サルバスパは失われ、チフォージュ・シャトーの起動が遠のいた。一刻も早く計画の完遂を目指す為には、一分一秒も無駄にしたくない。
「レイア。この埒を明けてみせろ」
「既に、動いています。遂行は速やかに」
キャロルの指示にレイアが動くと、クリスの標的はそちらに移った。ミサイルが使えない+素早く動く相手にミサイルは相性が悪いという事で、透を振り払ったクリスはガトリングを振り回してレイアを撃墜しようとした。
しかし動きの鈍いアルカノイズはともかく、素早く動き回るレイアにはなかなか攻撃が当たらない。
その事にクリスの心に焦りが広がった。
――後輩に任せておけねえ! 透もアタシが守る! アタシが、アタシが!!――
反応速度に任せてレイアの気配がした方に素早く砲身を向け銃弾をばら撒くクリスだが、そんな我武者羅な動きではレイアを捉える事等不可能に近い。
傍から見ている調と切歌にもそれが分かった。
「あんな動きじゃ捉えられない!?」
「透先輩! クリス先輩を落ち着かせてほしいデスよ!?」
自分達ではクリスを止められな
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