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ファイアーエムブレム聖戦の系譜〜選ばれし聖戦の子供たち〜
第一章:光をつぐもの
第2話:峡谷の戦い
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てもらう」
「どこへ行くの?」
「ふふふ、ちょっとな」
少年のような悪戯っぽい笑みを浮かべつつレヴィンはワープの杖を取り出した。
「なあにまたすぐに会うさ。お前たちがイザーク全土を制圧する頃には私も戻るさ。じゃ、頑張れよ、セリス」
「レヴィンも、気をつけて!」
白い光に包まれレヴィンは姿を消した。部屋にはセリスとユリアが残った。
「えーと、君はユリア・・・って言ったね」
「はい」
二人はややぎこちなく話を始めた。
「君の参加を歓迎するよ。これから一緒に戦おう」
「ま、まあこれからよろしくね。と言っても戦争ばかりだろうけど」
「いえ、こちらこそセリス様のお話はレヴィン様からお聞きしていました。シグルド様のご意思を受け継がれ立派に戦っておられると」
「えっ、レヴィンが?照れるな」
セリスはいささかにバツが悪そうに赤面した。
「確かに戦ってはいるんだけどね。いつか父上みたいになりたいしね・・・。ユリア」
「僕は立派な父上みたいになるよ。強くて優しかった父上みたいにね。そして帝国からみんなを救うんだ」
「セリス様・・・」
「見ていてねユリア、僕はやるよ」
「はい・・・」
その時オイフェが部屋に入ってきた。
「セリス様、兵の再編成及び武器の購入と修繕、闘技場での戦いなどが終わりました・・・。セリス様、その子は」
「さっきレヴィンが連れてきてくれた娘さ。名前はユリア、職業はシャーマン。我が軍に入ってくれるそうだ」
「シャーマンですか。貴重な戦力ですな」
光の魔法と杖が使えるシャーマンの存在はこの大陸では極めて貴重なのである。
「うん。ところで闘技場の方は?」
「はい。スカサハ、ラクチェの二十五勝を始め皆二十勝を越えております。資金もかなり入りましたしみんなの腕が驚くほど上達しました。正直に申し上げますとこれ程強くなるとは思いませんでした」
謙遜して言う。
「じゃあ後で僕も行くか。ところでオイフェはどうなったの?」
「闘技場お控えの司祭が杖が何本あっても足りないと嘆いておりました」
「ふふふ。じゃあ行こうユリア」
「はい」
ユリアを連れて部屋を出ようとする。
「言ってくるよ」
「はっ」
二人がオイフェの横を通り過ぎた時オイフェはユリアに何かを感じた。
「あの・・・ユリア?」
「はい?」
「君は・・・・・・」
「あの、私が・・・何か?」
ユリアは不安そうな顔になった。セリスがその間に入った。
「オイフェ、ユリアは記憶喪失なんだ。悪いけど遠慮してやってくれないか」
「はっ、申し訳ありません」
「わかってくれればいいよ。さ、行こうユリア」
「はい」
セリスに連れられるようにしてユリアも部屋を後にした。部屋に残ったオイフェはユリアの姿が消えた後、しばし考え込んだ。
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