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ファイアーエムブレム聖戦の系譜〜選ばれし聖戦の子供たち〜
第一章:光をつぐもの
第2話:峡谷の戦い
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に帝国の圧政から民衆を救おう」
「わかりました!」
「はい!」
 二人は解放軍の敬礼となったシアルフィ式の敬礼をし部屋を後にした。セリスがその部屋で暫し休んでいると兵士が来客を告げに来た。
「誰かな?」
 客が部屋に入ってきた。それはセリスもよく知る人物だった。緑の髪と瞳を持ち凛々しい顔立ちの長身の男である。白で固められた上着とズボン、青と白のターバンにマフラー、青いチェック柄のブラウス。かつてシグルドたちと共に戦った元シレジア王レヴィンである。バーハラの戦いにおいてシレジアは帝国の圧倒的な兵力の前に敗れた後は国を追われ各地を放浪していた。そのレヴィンが今セリスの前に現れた。
「え?・・・あっ、レヴィン!!・・・いや、・・・シレジアのレヴィン王・・・」
「昔のように、レヴィンでいいさ。シレジアはあのバーハラの戦いの後、帝国に占領された」
「でも、貴方はどうしてここに」
セリスの言葉に対しレヴィンは目を閉じ両手を制し首を横に振った。
「私は今もこうして、生き恥を晒しているが、シレジアは母親と共に誇りを持ったまま滅んだのだ。私は今も昔も、間抜けな吟遊詩人。オイフェはどう言ったか知らないが、間違っても私を王などと呼ぶな!」
「レヴィン・・・ごめんなさい・・・」
 セリスは項垂れた。
「ははは、これもシャレさ、気にするな。それよりもついに始まったな」
「うん」
「反帝国の兵を挙げるのに、イザークほど都合の良い国はない。帝国本土から遠く民の反帝国感情も強い。それにダナン王の暴政でみんなを苦しめている。あの男は人望がなく戦術戦略もデタラメだ。まさに適地だな」
「うん。ところでなぜここに来たんですか?」
「うむ・・・・・・。実はセリスに頼みがある」
「頼みたいこと?」
「そうだ。それはな・・・ユリア、来なさい」
 一人の少女が入ってきた。薄紫色の長い髪にアメジストを薄くしたような神秘的な瞳をした小柄で可憐に美しい少女である。丈の長い白い法衣の上に鼠色の薄いローブを羽織っている。
「この子は、幼い頃にバーハラの都で倒れているのを私が助け、今までシレジアの辺境で保護してきたのだが、そこもいよいよ危なくなってきたのでやむなく連れてきた。何か酷いショックを受けたのか私が助けた時には、何一つ記憶がなかった。セリス、この子を解放軍に入れてほしい。職業はシャーマン、光の魔法と杖が使える」
「光の魔法か、随分と難しい魔法を使えるんだね。しかしシャーマンとはまた珍しい職業だね」
「うむ。私も最初はプリーストだと思ったのだがまさかシャーマンとはな。だがこれで解放軍の戦い方も幅が広がるのだろう」
「うん、今魔導部隊率いるのは今の所、ホメロスしかいないしね。正直言ってこの娘の参加は嬉しいよ」
「そう言ってくれるとありがたい。では私はこれで失礼させ
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