西ゼムリア通商会議〜インターバル・後篇・中盤〜
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いる領土の民達の為に、皇族にも求められるような”清濁併せのむ”事も求められる時もある。レグラムの領主たるヴィクター師の娘である其方も将来のレグラムの領主としても、時には”外道”や”邪道”なやり方や存在等といった”必要悪”が必要である事を理解し、受け入れる考えを持つべきだと思うが?」
「……それは………」
「ラウラ………」
ミルディーヌ公女とオーレリア将軍の指摘に反論できず、複雑そうな表情で答えを濁しているラウラの様子をフィーは心配そうな表情で見つめた。
「フフ………話が色々と逸れて長くなってきましたので、ここで一つ目の質問については区切らせて頂きますわ。―――――それで他に聞きたい事とは何でしょうか?」
「次の質問は君の先程の私達に対して交渉を持ちかけた件――――――賠償内容の第10条をカイエン公爵家が政府の代わりに実行する件だ。オルディスに駐留するメンフィル軍にかかる費用の半分をカイエン公爵家が全て負担すると言っていたが………仮にエレボニア帝国全土に”有事”が起こり、オルディスに駐留しているメンフィル軍の災害派遣が必要になった際、カイエン公爵家が政府の代わりに政府が負担すべき費用を全て負担している事を理由にして駐留軍による災害派遣をオルディス――――――いや、ラマール州に優先させるつもりかい?」
「あ…………ま、まさかその為に本来は政府が負担すべきだった費用の全負担の申し出を……!?」
表情を引き締めて質問をしたオリヴァルト皇子の質問内容に一瞬呆けたセドリックは血相を変えてミルディーヌ公女を見つめた。
「そのようなある種の”選民思想”な考えで、殿下達に交渉を持ちかけたつもりでない事は断言致します。――――――ただ、仮に”有事”が帝国全土で起これば、幾らメンフィル軍と言えど駐留している戦力は”一個旅団”と限られている上駐留軍の全員が”飛行騎士”や”飛行歩兵”と言う訳ではないでしょうから、”確実に助けられる民達の命の選択の判断”を駐留軍がしても、例え親メンフィル派の筆頭である私と言えど、その事について意見をする”資格”はございませんわ。」
「”確実に助けられる民達の命の選択の判断”………ある種の”トリアージ”を駐留軍がするかもしれない事をミュゼちゃんは想定しているんだね………」
「”トリアージ”って何?」
「”トリアージ”って言うのは、医療関係の専門用語でね………大規模な事故や災害等によって多数の傷病者が発生した際に、救命の順序を決める事よ。本来は傷病者の重症度と緊急度の高い人達を優先的に治療する為に順序を決めるのだけど………」
「万が一エレボニアの全土に”有事”が起こった際、エレボニアに災害派遣をする駐留軍は”確実に助けられる命を選択する為に、駐留軍が拠点としているオルディス―
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