西ゼムリア通商会議〜インターバル・後篇・中盤〜
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ルも領土割譲について緩和の意見をしてくることは想定していたでしょうから、予め緩和しておくことで中立勢力による緩和の意見を封じ込める事が目的かと。」
「要するにメンフィルとクロスベル、それぞれにとって本当に必要な領土の併合を邪魔されない為に予め手放してもいい領土をエレボニアに返還する事で、もし今回の会議で中立勢力による緩和の意見が出たとしても”戦争前と比べて既に緩和している事”を理由に中立勢力を黙らせるつもりだったいう事ね………」
「それは………」
ガイウスの疑問に答えたシャロンの推測を聞いたサラは疲れた表情でシャロンの推測を捕捉し、二人の話を聞いたラウラは複雑そうな表情を浮かべた。
「その……緩和の件で気になっていた事は他にもあるのですが……今更聞くのもどうかと思うのですが、ミュゼさんは”戦犯”の引き渡しの件でミュゼさんにとっては”叔父”にあたる前カイエン公の身柄をメンフィル帝国に引き渡す事についての緩和の交渉をされなかったのですか?」
「ふふっ、バラッド大叔父様もそうですが従兄であるナーシェンお兄様の台頭を防ぐ為にあらゆる策を用いている私にとっては”今更な質問”ですわね。」
「つまりミュゼは前カイエン公がメンフィルに引き渡されることについてなんとも思っていないんだ。」
「ちなみに”黄金の羅刹”はその件についてミュゼのように何も思わないの〜?仮にも内戦が終結するまでは仕えていた”主”だったんじゃないの〜?」
「オズギリアス盆地でも他の”紅き翼”の者達の前でも宣言したように、私が心から私の主として仰ごうと決めたのはミルディーヌ様のみだ。クロワール卿に仕えていたのはラマール領邦軍を率いる者としての”義務”だけで、クロワール卿がメンフィルに引き渡される件もそうだがメンフィルに引き渡されたクロワール卿や前アルバレア公に執行される処罰についても思う所はある所か、むしろ”自業自得”と感じているくらいだ。」
複雑そうな表情を浮かべて訊ねたエマの質問に苦笑しながら答えたミルディーヌ公女の答えを聞いたフィーは静かな表情で呟き、ミリアムの質問にオーレリア将軍は静かな笑みを浮かべて答えた。
「将軍閣下の口ぶりから察するに、ミルディーヌさん達はメンフィルに引き渡された後に執行されることになる前カイエン公と前アルバレア公の処罰についても既にメンフィルより知らされているのですか?」
「はい。リウイ陛下達によりますと当初は”処刑”――――――それも”メンフィル帝国の処刑方法としても最も残酷な処刑方法での処刑”を考えていたとの事ですが、一時の苦痛を味わわせて命を奪うよりも”生き地獄と屈辱を味わせながら死なせる方が帝国貴族としてのプライドが人一倍高いあの二人にとっては処刑よりも残酷な処罰”という結論に到ったとの事で、
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