西ゼムリア通商会議〜インターバル・後篇・中盤〜
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〜エルベ離宮・客室〜
「え………では、この賠償内容はミルディーヌさんによる緩和の交渉が全く関係していない完全にメンフィル帝国が考えた賠償条約なんですか……!?」
ミルディーヌ公女の驚愕の答えを聞いて一瞬呆けた後我に返ったセドリックは驚きの表情で確認した。
「厳密に言えば、ヴァイスラント決起軍がメンフィル・クロスベル連合に加勢する交渉の際にハイアームズ侯の助命並びに領土割譲にサザ―ラント州を外す事、そしてメンフィル帝国領への入出国時の料金の撤廃に応じて頂けましたから私による緩和の交渉が全く関係していないとまでは言いませんが、大戦後に開示された賠償条約に対して私が緩和の交渉を一切行っていないのは事実ですわ。」
「ちなみに何故、その時に緩和の交渉をしなかったのだい?その時に君がリウイ陛下達に緩和の交渉をしていたら、今より更に緩和されていた可能性もあったのじゃないかい?」
ミルディーヌ公女の説明を聞いてある事が気になったアンゼリカはミルディーヌ公女に訊ねた。
「それに関してですが、例え私が緩和の交渉をしても効果は見込めない事がわかっていた為、交渉をしなかったのですわ。前半の会議での大公閣下の同じ問いかけに対して答えたように、連合が既に私達ヴァイスラントに対しての配慮の意味でも緩和をしたのですから、それ以上の緩和を望む事で連合に”傲慢”と取られる事でせっかく築き上げる事ができた連合との信頼関係を崩す事は避けるべきと判断したからですわ。」
「あん?テメェは戦争の最初から今までメンフィルに協力し続けた件で、メンフィルの戦争相手の国の大貴族でありながらメンフィルに特別視されているんだから、テメェが口を出せば間違いなく効果はあっただろうが。」
「この場合、私がメンフィル帝国からの覚えがいい等は関係ありませんわ。―――――そもそもこの賠償条約は”メンフィル・クロスベル連合にとっては既に緩和できる限界まで緩和した賠償条約なのですから。”」
「メ、”メンフィル・クロスベル連合にとっては既に緩和できる限界まで緩和した賠償条約”って………」
「―――――!も、もしかしてメンフィル・クロスベル連合はミュゼちゃん……ううん、リベールやレミフェリア等と言った中立勢力による領土割譲の件を含めた賠償内容に対しての緩和の説得の対策の為に、予め手放してもいい領土について話し合ってあの賠償内容を決めたんじゃ……」
アッシュの疑問に答えたミルディーヌ公女の答えを聞いたエリオットが戸惑っている中察しがついたトワは複雑そうな表情で推測を口にした。
「”緩和の説得の対策の為に、予め手放してもいい領土について話し合ってあの賠償内容を決めた”とは一体どういう事だ?」
「連合は今回の会議でレミフェリアもそうですがリベー
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