第五百二十話 ブライテンフェルトの会戦その八
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「何かと」
「言われるよね」
「ラーメンもカレーも」
「本当にそうだね」
「魔改造の様だと」
「実際にそうだな」
銭念は否定しなかった。
「ハンバーガーにしても色々だからな」
「他の国に抹茶アイスなんてないですよね」
「ある筈がない」
銭念は愛香に答えた。
「抹茶は日本のものだ」
「だからですね」
「あんなものが他の国にあるか」
「だから抹茶アイスも魔改造ですか」
「そうなる、焼き餃子もラーメンもでだ」
「カレーもハンバーグもですね」
「全部な」
「しかし美味いからよしじゃ」
クロノワールは笑って述べた。
「そのまま食べればいいのじゃ」
「結論はそうだな。しかしこの人はだ」
ラウラは今もベートーベンを見て話した。
「そのままというかまともに食べないからな」
「あの、前の人生より絶対に破天荒ですよ」
愛香もどうかという顔で述べた。
「ベートーベンさんは」
「そうだね」
迅も否定しなかった。
「音楽家の時も色々あったけれど」
「ここまで破天荒ではなかったですよね」
「そうだったけれどね」
「何かクラシカロイドの人達って」
愛香はまだガスバーナーを背負っておりそれで鉄板の上の餃子を焼こうとしているベートーベンを見つつ迅に話した。
「前世よりも」
「遥かに個性が際立っているね」
「そうですよね」
「それおら達もか?」
「そうみたいね」
それぞれのムジークを終えてくつろいでいたチャイコフスキーとバダジェフスカが応えた。チャイコフスキーは剥げた鬘と付け髭と腹巻を付けている。
「どうやら」
「おら達もそだか」
「何かそう言われるとね」
「心外だ」
「それは女の子の恰好じゃないグル」
グルはチャイコフスキーに話した。
「だから言われるグル」
「そだか」
「そうだグル、というかその恰好はグル」
「前世の恰好だ」
「そうグルな」
「この格好が一番落ち着くだ」
こう言うのだった。
「それでお休みさせてもらうだ」
「やっぱり個性が強いわね」
愛香はまた言った。
「この人達は」
「というか強過ぎてね」
「かなり引くわ」
シャルルとモリーが見てもだ。
「どうもね」
「私達が見ても」
「まあ迷惑だけれど悪い人達じゃないからな」
エーミリアはどうかという顔で述べた。
「まだいいか」
「そうね」
「ムジークは頼りになるしね」
「だからいいか。またムジーク頼むな」
「任せておくだ」
チャイコフスキーは今度は明るく応えた、だが。
ベートーベンは相変わらずだった、それで遂に歌笛に怒られて言い合ったが結局餃子をガスバーナーで焼くのは止めたのだった。
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