第五百二十話 ブライテンフェルトの会戦その六
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「私達はね」
「そっちか」
「そう、羊のお肉とね」
これにというのだ。
「人参や蕪、玉葱を入れた」
「そうしたシチューか」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「今から作るわよ」
「それじゃあな」
「では私もお手伝いを」
珠雫が言ってきた。
「させてもらいますと」
「それはいい」
ベートーベンがすぐに言ってきた。
「お前は料理を作るな」
「いけませんか」
「お前の料理は下手だ」
珠雫本人に堂々と告げた。
「だからいい」
「私の料理が下手と言われますか」
「自覚はないのか」
「いつも家の人達には褒められていますが」
むっとしてだ、ベートーベンに返した。
「それが誤りだと」
「それは言いつくろっているのだ」
「その琴は聞き捨てなりません」
「忘れるなとは言わん」
最初からとだ、ベートーベンも返した。
「兎に角氷の魔女、お前は戦いに専念しろ」
「貴方を氷漬けにしてからそうします」
「この俺をか」
「はい、永久とは言いませんが暫く静かにしてもらいます」
「確かにこのおっさん五月蠅いが仲間やからな」
きなこが二人の間に入って言ってきた。
「そやからな」
「攻撃はいけませんか」
「それは止めとくんや」
こう珠雫に話した。
「ほんまにな」
「きなこの言う通りだぞ」
エクボも二人の間に入って言ってきた。
「おっさんの言うことは聞き流せ」
「明らかな侮辱でもですか」
「おっさんはこうした奴だろ」
ベートーベンはというのだ。
「だからな」
「そのことをわかったうえで、ですか」
「ちゃんとな」
それでというのだ。
「付き合うんだよ」
「では一太刀で」
「珠雫、あっちに行きましょう」
今度は有栖院が言ってきた。
「そうしましょう」
「そうしてですか」
「ええ、それで休みましょう」
「貴方がそう言うなら」
「ええ、そういうことでね」
こう言ってだった。
珠雫は有栖院に連れられてその場を後にした、こうしてベートーベンとの衝突の危機は去った。しかし。
ベートーベンは珠雫が去っても自分のままでいて言った。
「では餃子を作るか」
「ここはドイツだが」
ラウラがクールな目で突っ込みを入れてきた。
「それでもか」
「俺の祖国でもあるな」
「それはそうだが」
「俺はそうであっても俺だ」
「餃子を作りたいのか」
「そうだ、ガスバーナーも出した」
実際に何時の間にか背負っている。
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