第27話 楽進
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いです。この村は、いつ賊の襲撃を受けるか判りません」
楽進は私達に言ってきました。
「賊ですか?尚更この村を立つ訳にはいかない」
私は馬から降りると、楽進の前に近づきました。
「そうですわ。賊如き正宗様が退治してくださいますわ」
「アニキに任せておけば大丈夫だって!」
「そうですよ。正宗様にお任せすれば問題ないです」
「正宗様が関わる段階で、賊が哀れに感じますね」
「あのあなた方は何者なのですか?」
賊の襲撃の話をしても、落ち着いている私達に楽進は不思議そうに聞いてきました。
「私は劉ヨウ」
私が自分の名を名乗ろうとしたら、麗羽に遮られました。
「オーーーホホホホ、この正宗様こそ、巷で『地獄の獄吏』と呼ばれている方ですのよ」
麗羽さん、それを止めてくれません。
そうです。
私の異名が急速に広がった理由は、行く先々で、麗羽がこうやって派手に宣伝するからです。
麗羽に言わせれば、せっかく頑張っているのですから、知って貰わなければ損だそうです。
「『地獄の獄吏』!もしかして、賊達が恐怖する『地獄の獄吏』と呼ばれている劉ヨウ様ですか?」
地獄の獄吏ー
その異名が随分広がっているみたいです。
「地獄の獄吏」なんて危険人物みたいな異名で呼ばれるくらいなら、「山陽郡の麒麟児」と呼ばれる方がいいです。
「あの『地獄の獄吏』というのは有名なんですか?」
私はその異名がどれだけ有名になっているのか、楽進に質問をしました。
「はい!劉ヨウ様が悪事を行った賊達に罰を与えて殺していると村々の人々は口々に言っています」
楽進は目をキラキラと輝かせて私を見ています。
変身ヒーローに憧れる子供みたいです。
その視線は私には辛いので、勘弁してください。
「それで、あなたのことは何と呼べばいいかな?」
これ以上、楽進の視線に耐えれそうになかった私は、楽進に名前を聞きました。
「申し訳ありません。私は楽進、字は文謙です」
「楽進殿、それでこの村には今何人くらい居るんだい」
「だいたい300人位です。その内60人位は負傷者です」
楽進は悔しそうな表情で、拳を強く握り絞めていました。
「傷の程度によるけど、私が治療するよ」
私のチート能力を使えば、傷は立ちどころに癒えます。
失った腕を再生とかは無理ですけど、切断した腕があれば引っ付けるのは問題ないです。
「劉ヨウ様、本当ですか!」
楽進は私に詰め寄ってきました。
「嘘を言ってもしょうがないでしょ。早く、怪我人のところに案内してくれないか」
「申し訳ありませんでした!こちらです!」
楽進は謝罪し、私を村の奥に案内し
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