フェアリー・ダンス編
新世界編
決断
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いくら孫とは言え、螢にもしもの事があったら許さぬぞ、山東桜」
「おかしな事を仰るのね?お祖父様、螢は山東家が買った兵器ですのよ?分家の分際でそれを盗ろうとするとは……清月様がお聞きになられたらさぞかしお怒りになるでしょう―――」
何時の間にか降り下ろされている木刀。そもそもそれを出した瞬間も判らなかった。
バシッ。
冬馬はそれを1ミリも動けずに受けた。
――否、防御は間に合っていた。
「『水城流対物理防御術・亜式、不動金剛』ですか……特技はまだ瞬時に使えるようですね」
「……去れ、わしは身内で争いとうない」
「……争いですか……それでは一方的な蹂躙をされないよう、頑張ってください」
そう言い残すと、彼女は去っていった。
彼女こそ水城家次期当主候補暫定三位にして、山東家の次期当主の妻になる予定の女性だ。
「ぬぅ………」
防御は完璧ではなかった。平気なふりをして、何とか隙を見せなかったが、バレたかも知れぬ……。
同時に、悟った。自分はもう長くはない……。
孫達だけは守らねばならぬ……。
だが、
「螢、全てはお前に掛かっている。わし亡き後、お前が、皆を……」
まずい、少し疲れたようだ。
手を廊下の壁に掛けながら、冬馬は寝室に向かっていった。
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