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オズのボームさん
第八幕その六
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 恵梨香はギリキンのナターシャはエメラルドの都の服を着ています、青に赤、黄色、紫に緑にとです。
 三角で広い幅に鈴が一杯付いた帽子に長袖のシャツとズボンそれにブーツです、それぞれの色の服を着てです。
 皆のところに来ましたがボームさんは目を見開いて言いました。
「まさかね」
「まさかですか」
 まずはジョージが応えました。
「僕達がこの服を着るなんて思いませんでしたか」
「実は前から着たいと思っていました」 
 カルロスはこう言いました。
「オズの国の服を」
「とてもお洒落で可愛らしいので」 
 恵梨香も言います。
「私達もって」
「私達普段はそれぞれの好きな服を着ていますが」
 ナターシャは自分の着ている服を見つつお話します。
「いい機会だと思いまして」
「それで着てみました」
 五人の最後に神宝が言いました。
「いい機会だと思いまして」
「そうなんだね」
 ボームさんは五人のその言葉に頷きました。
「まさかその服とは思わなかったよ」
「しかしね」
「これはいいね」 
 かかしと樵が言ってきました、そして南北戦争の頃のアメリカの服普段ボームさんが着ているそれに近い礼装のキャプテン=ビルも言ってきました。
「いや、オズの国の服とはね」
「キャプテンもだね」
「思わなかったよ」 
 こう言うのでした。
「本当に」
「ですが僕達にとってはです」
「オズの国の服は元々自分達の服でないので」
「だからです」
「前から着たいと思っていまして」
「それで着させてもらいました」
「そうなんだね、そういえばわしもだよ」
 キャプテンも言いました。
「オズの国の服は着ないよ」
「それは僕もだね」
「僕もだね」
 モジャボロと弟さんも言いました。
「元々オズの国の住人じゃなくて」
「言うなら移民だからね」
「オズの国の服はね」
「着ることはないよ」
「わしもだね」
 魔法使いもでした。
「考えるとね」
「外の世界から来た人はオズの国の服を着ることは少ないみたいだね」
 ボームさんも言いました。
「オズの国はそれぞれ好きな服を着てもいいけれど」
「オジョ君はオズの国出身だからいつも着ているけれどね」 
 教授も言います。
「外の世界から来ると最初に馴染みがないことは事実だね」
「それが大きいのかな」 
 ボームさんはまた言いました。
「やっぱり」
「そうかも知れないわね」
 ビリーナも言ってきました。
「思えばね」
「この子達もそんなこと言ってるしね」
「着ようと思えば着られてもね」 
 つぎはぎ娘はこう言いました。
「皆馴染みのある服が好きね」
「その通りだね」
「だからよ」
 その為にというのです。
「外の世界から来た人達はあまり着ないのよ」

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