第八幕その五
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「それでだよ」
「いいですか」
「そうだよ、似合ってもいるし」
「それでは」
「そういうことでね、しかしこうして羽織袴だと」
魔法使いは自分の今の服について笑ってこうも言いました。
「何かね」
「どうされましたか?」
「お侍になった気分だよ」
「お侍さんですか」
「袴だからね、それに下駄を履いているし」
足袋にそれとなっています。
「余計にだよ」
「お侍さんになった気分ですか」
「刀はないけれどこうして扇子も出せば」
実際にそうもします。
「尚更かな」
「はい、何かです」
ジュリアは扇子を出して拡げて煽りだした魔法使いに笑顔で応えました。
「本当にです」
「お侍みたいだね」
「そう見えます」
「ううん、そちらにすべきだったかな」
ボームさんも出てきました、見ればです。
この人は烏帽子に袴です、浅葱色の上着に下は白で烏帽子は黄金です。その服装で出て来て言うのでした。
「僕も」
「ボームさんは平安時代ですか」
「その時のお公家さんの服を着てみたんだ」
ボームさんはジュリアにこう答えました。
「少し考えてね」
「そうだったんですね」
「うん、普段の当時のアメリカの服でなくてね」
スーツで首に細いリボンがあるそれでなくてというのです。
「日本の服でと思って」
「それで、ですか」
「日本の歴史は長くてね」
「服もですね」
「それぞれの時代のものがあるけれど」
「その中で、ですね」
「一体何を着ようかと思って」
そうしてというのです。
「色々見て考えたけれど」
「そちらにされましたか」
「そうしたんだ、けれどね」
袴姿の魔法使いを見て言うのでした。
「魔法使いさんを見るとね」
「袴もですね」
「いいかなと思うよ」
「いや、ボームさんもかなりいいよ」
魔法使いはボームさんに言いました。
「そう言ったら私もだよ」
「この烏帽子の礼装をなんだ」
「着たいと思うよ、まるでね」
「まるで?」
「源氏物語や竹取物語だよ」
こうしたお話の様だというのです。
「本当にね」
「かぐや姫だね」
「うん、かぐや姫はね」
この人はといいますと。
「オズの国にいるけれど」
「オズの国の月にいてね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「時々こちらに来てくれるけれど」
「基本はあちらにいるね」
「オズの国の月にね」
「私達もオズの国の月に行けるけれど」
「空を飛んでね」
「けれど普段はこちらにいるから」
オズの国にというのです。
「離れた場所にいるとね」
「思ってしまうね」
「どうしてもね」
こんなことをお話するのでした、そしてです。
そうしたお話をしながらです、皆で神宝達五人が来たのを見ました、五人は何とです
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