第八幕その三
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「そこは」
「本当にそうだね」
「全く以てね」
「というかね」
ここで言ったのは魔法使いでした、いつものタキシードとシルクハットそれに縞模様のズボンと革靴ではなく。
紋付羽織り袴です、その姿で言うのでした。
「そう思わない猫は猫じゃないよ」
「そうだよね」
「やっぱりね」
「それで今の私だけれど」
魔法使いは臆病ライオンと腹ペコタイガーに尋ねました。
「どうかな」
「いいね」
「羽織袴なんてね」
「その紋はオズの国の紋章だね」
「それにしているね」
「そうだよ、私はオズの国の人になっているからね」
だからだというのです。
「紋はそれにしたんだ」
「貴方の家紋ではないのだね」
ムシノスケ教授は白を基調としたアラビアの服です、尖った靴で服のあちこちにエメラルドやダイアモンド、ルビーにサファイア等様々な宝石が飾られていてとても奇麗です。帽子まで被っていて実に見事なものです。
「そうなのだね」
「私の家は家紋がないんだ」
「そうなんだね」
「何しろ王侯貴族でもないしね」
「日本では普通のお家にあるみたいだけれど」
「私は日本人ではないから」
だからだとです、魔法使いは教授に答えました。
「それでだよ」
「家紋はないんだ」
「そう、だからね」
それでというのです。
「この通りだよ」
「オズの国の家紋にしたんだね」
「そうだよ」
こうお話するのでした。
「この通りね、そう言う君の今の恰好は」
「どうかな」
「まるでカリフだよ」
教授に笑顔で言いました。
「アラビアンナイトの」
「ハールーンさんみたいなかな」
「うん、実に豪奢だね」
「実は今あちらのことを学んでいてね」
「アラビアのだね」
「それでなんだ」
その為にというのです。
「アラビアの服にも興味があってね」
「着たんだね」
「そうなのだよ」
「成程ね」
「着てみるといいものだよ」
気に入っているとです、教授はにこりとして述べました。
「まことに」
「そうなんだね」
「だから貴方も今度どうかな」
「着てみるよ」
魔法使いは笑顔で答えました、そしてです。
モジャボロは弟さんと一緒ですが弟さんのマハラジャの様な恰好を見て言いました。
「インドだね」
「そう言う兄さんはタイだね」
「うん、この前タイ料理を食べてね」
モジャボロは全身金色で眩しい位です、お風呂に入って髪の毛だけでなくお髭も奇麗に編んでセットしてそこにもきらきらとしたものを着けています。
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