第一物語・前半-未来会議編-
第十六章 青の雷竜《3》
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輪を鞭状に変形させ、宇天の隊長に打ちつけようとする。
速度を付け始めた攻撃を飛豊は止めるために、
「止めろネフィア! ここで手を出せば、日来は本格的に独立行動をしたと見なされ、潰れるぞ!」
「ですが長が!」
「ネフィア! ここは覇王会伝達者である飛豊の言う通りにしろ」
「……」
ルヴォルフの言葉に、挙げた腕をネフィアは下ろし地に座り込んだ。
銀の鞭も同様に、宇天の隊長を襲う寸前で力なく地に落ちた。鞭の形状をした銀は液体となり、元の腕輪へと戻る。
飛豊はそれを見て、前へと進んだ。
座り込むネフィアの前に立ち、目の前にいる宇天の隊長に言う。
「ここは覇王会伝達者の権限で私達の長が負けたことを認める。だから宇天側はこの事態を見逃してほしい」
「取引ね。見逃したときのこちらの利益は?」
「日来の長に勝ったことを誇ってもいいし、この勝利を何かに利用して構わない。後は、辰ノ大花に今後日来は危害を加えず、必要ならば日来は辰ノ大花のために動こう」
実之芽は、なかなかいい利益だと思った。
特に最後のはとても魅力的だ。
必要ならば辰ノ大花のために動く、とは。これは日来を売り、裏切ってもいいわけだ。
つまり、日来は辰ノ大花の手の内にあるようなものだ。
これを利用すれば、黄森などの話し合いの場ではかなり有利になる。
少しの沈黙を置いて、
「取引成立ね。今回のことは大目に見るわ」
「有り難い、これから私達は長の回収を行うが何か言うことは無いか」
「それはあちらに聞いたら?」
宇天の隊長の言葉に、黄森の隊の隊長は咳払いをした。
その方向。左に体を向けた。
「入院中であろうとも、日来の長の直接監視を行いたい。こちらもそれが仕事なのでな」
「異論は無い。手当てする病院が決まり次第、報告するのでいいか?」
「構わない」
そう言い、中年の隊隊長は下がる。幾らか離れた後に隊員達を集結させた。
素早く隊員達は彼の元へ集まり、隊隊長を声を聞いた。こちらが話したことと、今後のことを簡単に説明しているのだろう。
飛豊は見て、地に座るネフィアをそっとし置く。だから、飛豊はセーランの元へと走った。
巨大な穴が空いている中心。そこに、セーランが力無く載っていた。
穴を滑るように落ちる飛豊は、ある者を見た。
先に行っていたレヴォルフが、様子を確認している。
だが、その様子は焦っており、
「息をしていない、鼓動が止まってる」
「無茶してくれたな」
「先程の雷撃のショックでだろう、一番近い病院は――」
「東一番居住区域だ」
その声は、穴の上に立っているアストローゼだ。
その横には何時もいる補佐ではなく、長いクリーム色の髪を持つ恋和だ。
彼女は映画面|《モニター》を表示しており、
「住民のた
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