第一物語・前半-未来会議編-
第十六章 青の雷竜《3》
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のだ。
何故そんなのことをするのか、理解が出来ない。
「俺は、日来の長だから。立場、はっきりさせとかねえと、示しがつかねえから」
その言葉は続く、
「だから、お前は、お前の立場を……示せ」
足を地に下ろし、
「お前らも、頑張れよ」
足が地面に着いた。
馬鹿な奴、と実之芽は吐き捨て、直後。雷が空と地の間を走った。
言葉通りの、これまでにない強力な一撃。
黄森の隊長はそれを見た。
空から、日来の長に走った青の柱を。
その一撃は、彼の全身を打ち、その身を焦がした。
硝子が割れる冷たい音が響き、日来の長の身体は後ろへ倒れた。
そのとき左の腕が上がり、正面。停泊している辰ノ大花の艦に、手を伸ばしているように見える。
濡れた冷たいコンクリートの上に載り、仰向けのまま、顔は空を向いている。
雨が涙のように頬を流れ、彼の身に打ちつける。
●
西二番貿易区域の北側。
コンテナを積み上げている、そこに多数の学勢がいた。
「どうするのだ!? セーランがやられたぞ!」
そう言うのは、獣人族のレヴォルフだ。
西側にいた、自分達の長が倒れたのを遠目で確認した。
「無茶してくれたね。回収しようにも黄森の隊員が邪魔だから」
「流石にヤバい状況――、ぎゃあ」
レヴァーシンクの言葉にロロアが言葉を重ねる。が、そのとき小柄な彼女の横を勢いよく何かが通り過ぎた。
それを後ろから見ていた飛豊は、
「おい、待てネフィア!」
「クソッ、ネフィア嬢はあちらの覇王会隊長に向かう気だろう」
人族ならぬ動きをしている者を見て、アストローゼ言った。
「ルヴォルフ、飛豊を担いでネフィアを追え。覇王会伝達者はその場の決定権を持つからな、事態を収めるにはうってつけだ」
「頼む」
「よく掴まっておくのだぞ」
そう言い、肩に飛豊を乗せ、レヴォルフはコンテナを蹴った。
大気を割り、一気に行く。
下には黄森の隊員がおり、それを上から追い抜く。
巨大な穴が空いた中心。そこには長である、セーランが空を向いて倒れていた。
穴と辰ノ大花の艦の間。
半獣人族であるネフィアが、自分に背を向けて立つ宇天の隊長の後ろに立っていた。
二人はネフィアの少し離れた後ろに着地。レヴォルフは、振り落とされないように掴んだ飛豊の足から手を離し、飛豊は尻でジャンプように飛び下りた。
そのとき二人は、半獣人族の声を聞いた。
「我が覇王をよくも、痛めつけてくれましたわね」
宇天の隊長に向かい、その怒りの声を出した。
それを実之芽は背後で聞き、振り向かないまま言う。
「私と同じ覇王会隊長ね。いいのよ? 別に仕掛けてきても」
「言わせておけば!!」
怒りを露わにしたネフィアは、右の手首に着けている銀の腕
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