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八条学園騒動記
第六百七十五話 どれだけ生まれ変わってもその七

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「化けものが愛情を持つか」
「そんな筈がないわね」
「人でなくても生きものならな」
 それならというのだ。
「愛情を持つが」
「化けものになると」
「持つものか」
 タムタムは穿き捨てる様に言い切った、顔を横にやって表情もそうしたものになっていて感情がよく出ていた。
「自分しかなくてな」
「自分の欲望だけね」
「実際にベリヤはそれだけで生きてきた」
 その五十四年の穢れ切った生涯をだ。
「人を騙し利用してだ」
「陥れていたぶって」
「はけ口にしてな」
「いいことは一切しないで」
「だからジョージアではな」 
 その出身地ではというのだ。
「今も評判が悪い」
「それも当然ね」
「悪鬼羅刹の様にな」
「言われているのね」
「そうらしいな」
「まあそんな奴が好かれない筈がないわね」
「どうしてそんな奴がだ」
 化けものになっている輩がというのだ。
「家族にだ」
「愛情を注げるか」
「愛情を持っているか」
「有り得ないことね」
 ラビニアもそれはと答えた。
「本当に」
「何でもその息子さんもな」
 フックはその輩を生涯擁護した人のことを話した。
「ベリヤと名乗れなかったらしいな」
「とてもな」
「何でも名乗ったらな」
 そうしたらというのだ。
「殺されるからな」
「それがベリヤの評判だった」
「そこまで忌み嫌われていたんだな」
「スターリンは今でも人気があるが」
 ロシアではだ。
「大粛清や弾圧を行ってもな」
「二次大戦でも滅茶苦茶した」
「しかしな」
 それでもというのだ。
「強力なリーダーだったとな」
「ロシアでは今でも人気だな」
「そうだ、しかしな」
 それがというのだ。
「スターリンはまだ評判がいい」
「けれどその下にいたベリヤは」
「今もだ」
「悪鬼羅刹の如くか」
「その行いと性格からな」
「そうなっているか」
「そうだ、しかしそのベリヤがな」 
 タムタムは嘆息してから述べた。
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