第二百六十六話 東に来てその五
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「確かに強くいきなり出て来てだ」
「厄介な連中でもな」
「それでもだ」
「倒せるからな」
「遥かに楽だ、巨人はこの世界に元からいる者では太刀打ちしにくいが」
「レベルが違うからな」
「だが俺達ならな」
英雄は強い声で話した。
「倒せる」
「それも楽にな」
「だから出て来ればだ」
その時はというのだ。
「必ずだ」
「倒すことだな」
「さもないと出て来た場所が荒らされだ」
そうなってというのだ。
「民にも犠牲が出る」
「そうなるからな」
「だからだ」
「絶対にな」
「出て来たなら倒す」
「俺達がな」
「そうすることだ、ではな」
ここまで話してだ、英雄は述べた。
「これからな」
「大坂でだな」
「もてなす」
「楽しみにしているな」
「その期待に応える」
こう言ってだった。
英雄は久志と彼の仲間達を堺から大坂に迎え入れた、そうして催し等をしてその夜の宴の場でだった。
すき焼きそれに寿司を出した、その二つの料理を見てだった。
久志は満面の笑顔になり英雄に話した。
「そうそう、この二つがな」
「食いたかったな」
「そうだったんだよ」
こう言うのだった。
「本当にな」
「この浮島に来たらか」
「あっちでもな」
西の浮島でもというのだ。
「ずっとな」
「食いたかったか」
「そうだったんだよ」
「あちらにはないからだな」
「ああ、鍋はあってもな」
それでもというのだ。
「すき焼きはなくてな」
「飯に魚があってもだな」
「寿司はないんだよ」
「食材はあるが」
「そうだよ、作る人がな」
「いないな」
「作り方を知っている人もな」
料理人の中にというのだ。
「それでだよ」
「あちらではだな」
「ずっと食えなかったんだよ」
すき焼きや寿司はというのだ。
「すき焼きなんか糸蒟蒻もな」
「あちらにはないな」
「ああ、豆腐もな」
この贖罪もというのだ。
「麩だってな」
「そうしたものもないとな」
「すき焼きじゃないだろ」
「すき焼きや肉だけではない」
英雄は言い切った。
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