第五百十八話 サラトガの攻防その十二
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「じゃあハンバーガーもアップルパイも貰うな」
「今は戦いだから金はいらない」
叡山はシャーロットに笑って応えた。
「ただより高いもんはないしな」
「ただは踏み倒せだ」
二ノ宮はこれ以上はない位下衆な笑顔で話した。
「それでいい」
「あの、それはな」
「幾ら何でもですよ」
ホーネットもタクミもその二ノ宮に引いて言った。
「あんまりですよ」
「叡山の兄さんでもね」
「安心しろ、俺も踏み倒す相手は選んでいる」
二ノ宮は真顔に戻って答えた。
「少なくとも仲間のそれは踏み倒さない」
「それならいいけれどな」
「結構二ノ宮さんもそうしたところありますからね」
「恩義を売るってことだーーね」
ロズワールが言ってきた。
「要するに」
「はい、それも大事ですから」
叡山はロズワールに真顔で答えた、そこには以前の彼とはまた違ったあらゆることを学んできたものがあった。
「それで、です」
「ただで食べさせることもだーーね」
「そうする時も作ってます」
「そうだーーね」
「助けてです」
そうしてというのだ。
「俺も助けてもらってます」
「試食品を食べさせてもらっている」
ヤマト=命が言ってきた。
「いつも」
「そうしてもらってるんで」
叡山はロズワールに答えた。
「助かってます」
「叡山も変わりまして」
寧々が言ってきた。
「前より人間性がましになっています」
「以前は腐れ外道だったんですね」
「ええ、そうなの」
寧々は叡山のアシストをしつつ清春に答えた。
「お金のことしか頭にない」
「反社会的な人だったんですね」
「外見通りね」
「もう人間性の悪さが外見に出た」
「最低最悪な奴だったのよ」
「しかも噛ませで」
「おい、幾ら何でも言い過ぎだろ」
叡山はここぞとばかりに言う二人に突っ込みを入れた。
「放っておいたら何だ」
「えっ、だって事実ですよね」
「私は証人の一人よ」
「もう買収も何でもありの」
「実際にそうしたしね」
「文字通り最低の奴だったな」
酒木さくらも言ってきた。
「あんたは」
「本当にこれでもかと言うな」
「事実だろ」
「それはそうだがな」
「なら反論するな」
さくらはこうまで言った。
「事実ならな」
「糞っ、本当に言われ放題だな」
「言われる方が悪い」
「そうか、それで俺が作ったのはどうするんだ」
「食う」
さくらは一言で答えた。
「そうさせてもらう」
「わかった、じゃあ作るな」
「そうしてくれ、あと散々言うがあんた嫌いじゃない」
さくらは叡山にこうも言った。
「だから気にするな」
「気にするからな」
「まあ人間過去はどうしようもないので」
ベクターは落ち着いた口調で述べた。
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