第八十二部第三章 国債の発行その三十八
[8]前話 [2]次話
「それでもね」
「王は、ですね」
「ましてや連合は全て民主国家でね」
「ケベックもですね」
「民主主義の国でね」
「言論は、ですね」
「自由だから」
そうした国だからだというのだ。
「これ位はね」
「受け入れるべきですね」
「流石に私も妃や子供達や王家への悪意ある誹謗中傷には怒るけれど」
「王が怒られるなら」
妃が言った、尚妃は王が怒ったところを見たことがない。
「もうその時点で」
「宮内省がかな」
「動きます」
王室のことを取り仕切るこの省がというのだ。
「既に」
「そうだね」
「ですから」
「私はだね」
「特にです」
これといってというのだ。
「思われることはです」
「ないんだね」
「はい」
そうだというのだった。
「そうしたことは」
「それならいいけれど。ただ」
「ただ?」
「悪意ある誹謗中傷はね」
「陛下としてもですか」
「どうもね」
これはと言うのだった。
「気になるよ」
「左様ですか」
「気にし過ぎかも知れないよ。私が言われてもね」
王個人がというのだ。
「それはいいけれど」
「私達はですか」
「そうしたことを言われると」
悪意ある誹謗中傷をというのだ。
「やはり怒るよ」
「そうなのですね」
「家族は別だよ」
自分自身とは、というのだ。
「守らなくてはならないから」
「その為にも」
「私も言うよ」
「そうですか、ですが」
「そちらのことはだね」
「宮内省がです」
彼等がというのだ。
「頑張ってくれますので」
「彼等を信頼してだね」
「任せましょう、陛下はです」
王自身はというと。
「玉座においてです」
「悠然とかな」
「されていればいいのです」
「それも王の務めだね」
「はい、王は動じてはならない」
それこそというのだ。
「例え何があろうとも」
「私が生まれた頃から言われてきたことの一つだね」
国王となる者としてだ、彼は実際にそう言われてきた。
そしてだ、こうも言ったのだった。
「まさに」
「そうですね」
「ではだね」
「そうです、そうした時も」
是非にというのだ。
「悠然とされて下さい」
「怒るなぞもっての他だね」
「そうです、その点もです」
王妃は王に微笑み話した。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ