第七幕その八
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「それが今ではね」
「沢山の服があるね」
「そして着られるね」
「今では」
「その服だけじゃなくて」
「そうなっていて」
今のオズの国はというのです。
「嬉しいことだね」
「そのこともね」
「そうだね」
「それでだけれど」
ボームさんはさらに言いました。
「オズの国の服の歴史の本もあるよ」
「へえ、服のですか」
神宝はそう聞いて驚きの声をあげました。
「それの歴史ですか」
「色々な本がありますけれど」
ナターシャも言います。
「服の歴史の本もあるんですね」
「それでここにもあるんですね」
恵梨香も言いました。
「そうなんですね」
「何にでも歴史があるんですね」
カルロスの口調はしみじみとしたものでした。
「世の中は」
「そういえば外の世界でも何とかの歴史ってあるけれど」
それでもというのです。
「オズの国でもなんですね」
「そう、何でもだよ」
まさにとです、ボームさんは五人にもお話しました。
「歴史があるんだよ」
「そうなんですね」
「服にもですね」
「歴史があるんですね」
「それで、ですね」
「オズの国にもですね」
「何にでも歴史があってね」
そうしてというのです。
「オズの国でも本として書き残されているんだ」
「そうなんですね」
「ここにあって」
「今整頓されているんですね」
「そうなっているんですね」
「それで僕達が整頓にあたっているんですね」
「そうだよ、ただね」
こうも言うボームさんでした。
「オズの国はここでも外の世界と違うんだ」
「そうなんですか」
「服のことでも」
「オズの国は違うんですか」
「外の世界とは」
「それでどう違うんですか?」
「皆が知っているあの服がだよ」
今かかしと樵とお話したオズの国伝統の服がというのです。
「それぞれの国の色で上着とズボン、ブーツに鈴が一杯付いた三角帽のね」
「あの服ですか」
「ドロシーさんも最初に来られた時に見た」
「オジョさんもいつも着られてますね」
「ヘンリーさんとエマさんもですよね」
「あの人達も」
「あの服は比較的早い時代に出来上がってね」
そうなってというのです。
「着られているんだ」
「そうなんですか」
「長い間あの服だったんですか」
「オズの国では」
「私達もオズの国の服っていうとあの服ですが」
「あの服の歴史は長いんですね」
「それがね」
ボームさんはレモンティーのおかわりをしつつ言います、ジュリアが淹れようとしましたが笑顔で僕がと応えてそうして自分で淹れてまた飲みます。
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