暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
四人で紡ぐ物語◆レッドギルド
第二十八話 アイリアの覚悟
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「戦闘開始ィッ!!」
 うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉォォォォッ!!!

 ボス部屋にプレイヤーたちの叫び声がこだました。
 先陣を切り、風の様に走るのは血盟騎士団副団長のアスナ。その隣に、血盟騎士団団長のヒースクリフが併走する。二人を追いかけるように全レイドメンバーが走った。
 事前の調候戦の報告通り、今回のボス戦はかなり苦労することは簡単に予想できた。ボスの身体は錆色の甲冑で覆われ、なんとその甲冑には一切の攻撃が通らないからだ。甲冑の隙間を縫って攻撃する必要があり、よって今回のボス戦の主役はアスナやシリカ、アイリアたち刺突属性武器使いやマルバたち投剣使いとなる。今回ばかりはキリトもLAを取れないだろう。なにせ直剣ではどう頑張っても鎧の隙間を狙えないからだ。


 《リトルエネミーズ》はかなり良い戦いっぷりを披露した。武器の相性もあり、マルバとシリカの息のあったスイッチの繰り返しはそれだけで五人組のパーティーの攻撃力を軽く凌ぐほどだったからだ。
 斬属性がほとんど効かないボスを前に、斬属性武器であるチャクラムを使えないマルバはシリカほど活躍できなかったが、短剣と手刀のみで十分なダメージを与えていた。

 しかし、ミズキとアイリアも二人に負けてはいない。

「うおおおおおぉォッ!!!」
 胸いっぱいに吸い込んだ空気をすべて吐き出す勢いでミズキは叫んだ。狙い通り敵がミズキを狙う。
 ボスの手に握られるのは二本の刀だ。甲冑に刀……武士でも気取っているのだろうか? ミズキは振り下ろされる二刀の片方を避け、もう片方を盾で受け止める。
「へっ……お返しだッ!」
 盾が攻撃を受け流す方向に傾く。ボスの持つ刀の刀身がミズキの盾から滑り落ち、床に突き刺さった。受け流した勢いを殺さずにミズキはそのまま盾を斜めに振りぬいた。盾が甲冑に覆われていないボスの顎を打ち抜き、ボスは思わず数歩後ずさる。

「後ろに注意だよ、ノロマさん!」
 後ろから飛び上がりざまに放たれたアイリアの全力の突きは肩のあたりに命中した。甲冑の隙間から入り込んだ攻撃でボスのHPゲージが最後の一本となる。


「総員、出口方向に十歩後退!!」
 アスナの指示が飛んだ。凶暴化したボスの攻撃は確認できていない。

 全員が出口に近づき、武器を構えてボスの動向を伺う。ボスは大きく息を吸い込むと……空気がびりびりと振動するほどの大音量で吠えた。
 それと同時にプレイヤーを散々手こずらせた甲冑が弾け飛び、ボスの上半身が顕になる。吹き飛ばされた甲冑は大きな音をたてて落下し、二度ほど石造りのダンジョンの床を跳ねると、ポリゴンの欠片となって消え去った。

 プレイヤー全員が愕然としてボスを見つめる。
 それはなにもボスが上半身の筋肉だけで甲冑を吹き飛ばしたためばかり
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ