第五百十七話 ライプチヒの熱闘その七
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「嫌いです」
「それでもモーツァルトさんもか」
「人柄が好きでないので」
「そうです、音楽は素晴らしいです」
認めることは認めていた。
「しかしです」
「突拍子もない人柄だからな」
「それで、ですね」
「そうです、あと彼は浪費家で借金を踏み倒してです」
シューベルトはワーグナーのこのことも話した。
「バイエルン王に立て替えてもらったりもしています」
「女性問題と合わせて酷いな」
「そうよね」
「あらためて聞くとね」
シャルルとモリーはユーミリアに応えた。
「それで王様に養ってもらってね」
「そこからもやりたい放題したし」
「今で言う自作自演もしたんだよな」
ユーミリアはこの話もした。
「そう思うとな」
「つくづくね」
「最低よね」
「僕は生前から言われてるんだよね」
ワーグナーはこう言うが平気な顔であった。
「本当にね」
「言われて当然だろ」
「全くだ」
またろくろと紅緒が話した、
「本当にな」
「行い酷過ぎるだろ」
「恨まれるのも当然だ」
「前世だとな」
「何ていうかね」
イリナもワーグナーに言う。
「ムジークの人は個性派が多いけれど」
「ワーグナー君、君酷過ぎるぞ」
ヘスティアも話した。
「前世での行いはな」
「そうですね」
「僕が聞いてもだ、ベル君とそっくりだからあまり言いたくないが」
シューベルトに応えつつ話した。
「ワーグナー君の行いは酷過ぎる」
「ベートーベンさんやモーツァルトさんも褒められたものじゃないけどな」
ユーミリアはソーセージを食べつつ話した。
「ワーグナーの兄さんは酷いにも程があるな」
「うむ、日頃の行いは大事だぞ」
ここで言ったのは斎子だった。
「私が言っておく」
「あんたが言うと説得力があるな」
ユーミリアが見てもだった。
「本当にな」
「そうか?」
「ああ、あんたいつも石動さんに怒られてるからな」
「隊長は怖い」
斎子は真顔で話した。
「私が唯一逆らえない人だからな」
「そうだよな」
「あのアイアンクローが怖い」
斎子は真顔で話した。
「非常にな」
「私が見ても見事な制止です」
「そうですよね」
イリナはシューベルトの言葉に頷いた。
「何時見ても」
「斎子さんの暴走を止めるには」
「凄い効果がありますしね」
「はい、そしてその斎子さんが言われると」
それならというのだ。
「非常にです」
「説得力があります」
「あのアイアンクローは本当に頭蓋骨にくるのだ」
斎子は真顔で話した。
「ミシミシとな」
「いつも笑顔だけれど本気だからなあの人」
「恐ろしい握力だ」
ろくろと紅緒が見てもだ。
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