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不可能男との約束
選択の始まり
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うか、どうしてこいつらは共食いを起こすんだ。
横にいる二人に視線を向けるが、二人は顔を逸らした。
その事に、もしかしてこいつらも同類かなと思ってしまうが、いかんいかん。そんなに簡単に人を疑っては駄目だと一応思って、溜息をついて仕切り直しをしようと思った。

「先生」

「ん? 何かしら正純。今から私は青雷亭で買ってきた肉弁当を消化しようとしているんだけど?」

「……別にそのままでいいですけど。とりあえず、ここで臨時生徒会を開始するという事で宜しいんでしょうか?」

「ええ、そうよ。基本はまぁ、相対と同じよ。手段も方法も問わないわ。バトル良し、討論良し。なんならゲームでもいいし、じゃんけんでもいいわよ」

最後ら辺は冗句だろうと思い、笑うだけで留めた。
とりあえず、ようは自分の実力を出せる方法でお互いが納得するような相対をしろという事だろう。
となると、やはり直政とミトツダイラは戦闘で、自分は討論という形になるかなと思った。

「成程……こっちは解りました」

「Jud.トーリ達も解ったーー? あ。トーリが解らないのは何時もの事だから答えなくていいわよ」

「おいおいおい先生! そんな最初から決めつけるような物言いは良くないと思うぜ! 人間は成長する生き物なんだぜ!?」

「んーー。でも、あんたは下にしか成長できないでしょ? だから無理だと思ってね」

「し、下に成長…………!? せ、先生が下ネタを言ってくれたぜーー! この変態教師め!」

瞬間、馬鹿が吹っ飛んだがもう気にしないことにした。

「ほかに質問ある人いる?」

「あ、先生。俺俺。俺が質問じゃないが、少し言いたいことがあるぜ!」

「……呪歌を歌うつもりじゃないでしょうね?」

「……! それは期待って取っていいんだろうな!? 仕方ねぇ……そんなに期待されてるんなら歌うしかね───」

熱田は浅間に思いっきり射たれて吹っ飛んでいた。
その事についても、皆、気にしている様子がなかったから改めてここはおかしいなと思った。
だけど、意外にも二人が早く戻ってきたから驚いた。
まさかギャグなら死なないという体質を持っているのだろうかと疑いたくなるが気にしないことにした。

「で、何? つまらないことじゃなかったら言っていいわよ」

「おう。安心しろよ先生。一応、副長として発言するからな」

その言葉に目が細くなってしまうのが止められない。
副長の権限は無くなったとしても、一応は武蔵の武を示す立ち位置だ。そんな人物が、わざわざ副長としてなどと言うのだ。
自然と警戒度が高まる。
そしてオリオトライ先生はあら? と珍しいものを見るようなものを見るような態度で先を促す。
そして熱田はああと前置きを置いて告げる。


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