選択の始まり
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正純は結構考え込んでいるみたいだけど、大丈夫かい?」
「……あ、ああ。済まない。あんまり考え込まないようにしようとは思ってるんだが……性分かな」
直政の気遣いの言葉に苦笑で返事すると二人も苦笑する。
その反応に少し恥ずかしくなって頬を赤くしてしまった。
駄目だなとまた思い、そしてそういえばという思いを得る。
こういう風にクラス皆とちゃんと話したのは初めてじゃないか……。
ホライゾンが危機になってからというのはかなりの皮肉だがという前置きは忘れない。
他のメンバーは小学校からの付き合いらしく、自分だけが途中で転校してきたので、正直に言えば馴染めていないというのが本音だったが……馴染めなかったのは自分のせいだったみたいだなと思う。
本当にこれで政治家志望というのだから情けないと思ってしまうけど、あんまり沈黙ばかりしていたらまた気遣われてしまうと思うのは自惚れかもしれないが、とりあえず話を続ける。
「二人のここにいる理由だが……」
「ああ。正純の事だから何となく解っていると思うけど……あたしは機関部代表としてここにいるからね。難しいことを言うのは好きじゃないから単純に言うけどあの馬鹿共の力を見て来いってことさね」
「私の方も……まぁ、似たようなものですわ」
直政の方は本当だと思うが、ミトツダイラの方は少し違うだろうとは思っている。
一応、騎士としての考えも立場も理解しているつもりなのだから。
だから、ミトツダイラが何も言わなかったので正純も何も言わなかった。
「となると相対するのは……」
「セオリーなら、あたし達のような戦闘系とやるんだから、あっちもそれに対応する奴を出すだろうねぇ」
「ええ。それに───あっちには戦闘部門で最強クラスの役職の人物がいるんですのよ?」
「……熱田の事か」
生憎だが、自分は文系なので戦闘系の人間がどれだけ強いのかを見て感じるなどという事は出来ないのだが……ミトツダイラは熱田の事を評価しているようだ。
その事に思わず首を傾げてしまう。
政治系ではあるが、やはり体育などで多少はやらされるものであるのだが、その時は熱田は確か何も出来ずに吹っ飛ばされてるだけか、走っているだけだった。
あれだけ吹っ飛ばされているのに何で無傷なんだろうとは思ったが、そこは無視した。
だから、熱田がそこまで強い存在には思えない。それともやはり、理解できていないだけなのかなと思う。
それにしても
「……ミトツダイラ。何だか嬉しそうだな」
「え? そ、そんな事はないのですよっ」
「ああ。正純。ミトはこう見えなくても戦闘陶酔者で破壊陶酔者でね。だから戦えて壊せるものなら嬉々として叫ぶ性質があるんだ
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