1章「新しい旅先」
7話「トレーナー・ベストカップ 第一の試練」
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そ、挑戦者のトレーナー諸君。ここ、ベストカップ第一の試練が用意されたトライアル会場へ』
男は、下にいる挑戦者達に目降ろしながら、話し始めた。
『私は、本日ここで行われる、第一の試練の監督を務める責任者のオオバヤシだ。これより、諸君には、ベストカップの第一の試練に挑戦して頂くことになる。そして、試練に達成した者のみが、第二の試練への挑戦権を手にする事が出来る』
オオバヤシと名乗る男は、挑戦者達に自己紹介を終えると、パチンと指を鳴らした。その合図で、消された会場内の照明が、再び点灯されて、明るさを取り戻した。
『では、今回の試練が行わるフィールドを、お見せしよう』
続いて、オオバヤシは中央ステージを指差しながら、そう告げると、ガッガッ、ガァーガァー、ウォーンウォーンと、何らかの機械音や金属が擦れる音が響き始めた。
「「「!」」」
挑戦者達は、急になり響いた音の方向が、会場の中央にある広大なフィールドからだと気付き、そちらを振り向いた。サトシやマナオも、同じくして会場中央へ目線を移した。中央のフィールドの床から次々と巨大な壁がいくつも迫り上がって行き、徐々に何かを形成していく。それから、5分もかからず、駆動音が鳴り止み、フィールドの動きも止まった。
次に、機械音が再び鳴り響き、中央への侵入を拒んでいた柵が、真ん中で切り開かれ、左右へスライドされていった。挑戦者達は、黙ったまま、中央フィールドの中へ入って行き、飛び出した巨大なステージへ近づいて行った。
「なんだ。この壁」
「砦みたいだな」
「たけぇ」
「20m以上あるぞ」
間近で見た挑戦者達は、その大きなオブジェクトに息を呑んだ。
『これが、第一の試練のフィールドとなる』
再びオオバヤシの声が聞こえた。挑戦者達は、彼の方を再び見たが、先程のステージには居なく。すぐ近くの観客席側にある高台のステージに、彼は移動していた。
『その名も、迷宮発走、ラビリンス・ラン』
「迷宮?」
「ラビリンス?」
「ラン?」
彼の言った試練の名前に、挑戦者達は口ずさむ。
『それでは、時間が押しているので。これより、第一の試練について、説明を行う』
オオバヤシによる第一の試練の説明が始まった。すると、彼が立つ後方にある観客席の上にある大型モニターや周囲の他のモニターが点きはじめた。
『今回、ここでの挑戦者となる106名の諸君には、制限時間終了までに、この迷宮の中を通っていき、ゴール地点に到達して貰う。それが今回、ここで用意された第一の試練の内容だ』
そう言うと、モニターには挑戦者106名という表示と、彼の言う言葉に合わせて文字が表示され、オオバヤシによる説明が行われて行った。
『詳細だが、挑戦者が各自決められたスタート地点からゴール地点に到達して貰う。制限時間は、30分。開始から30分後まで
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