1章「新しい旅先」
7話「トレーナー・ベストカップ 第一の試練」
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ィークポイントを狙っては攻撃をしてきた。そのお陰で壁につけた傷は、徐々に大きくなっていった。これなら、いずれ壁に穴を開けられるだろう。だが、そんな余裕はない。
「きあいだめ」
「カラ」
「もう一度、きあいだめ」
「カッ」
カラカラが、わざの途中で、膝をついて倒れかけた。
「あ、カラカラ」
彼女は、カラカラに寄り体を支えた。
「カラァー、カラァー」
(もう無理みたいね)
カラカラも既に限界だったのに、更に気力も体力も底ギリギリに迫っていた。ポケモンバトルでない為、ダメージは受けないが、精神力と体力は動く度に、減っていく。
『残り時間、1分』
会場のアナウンスが鳴った。
「ッ。もう1分しかない」
アナウンスを聞いて、心臓が止まりかけた。もう後がない、どうしようと冷静さが消えて、焦りが出てきた。もういっそ、諦めた方が楽になるんじゃないかと、心の隅でそう呟く弱い文の声も聞こえた気がした。だが。
(諦めるな)
彼女の心には、そう強い言葉が出来ていた。サトシから教わり、言われた言葉。
(これが、最後のチャンスだ)
彼女は、カラカラの目を見て、聞いた。
「カラカラ」
「カッ、ラ」
「これが、最後・・・行ける?」
「・・・カラ!」
彼女の目を見て、カラカラは強い意思でそう返事をし、立ち上がった。そして、カラカラに最後の指示をはじめた。
「カラカラ・・・きあいだめ!」
「カァーラァ!」
「まだまだ、きあいだめ!」
「カァ―――ラァ!」
「もっともっと、きあいだめ!」
「カァ――――――ラァ!」
「もっともっと、もぉーーーとぉ。きあいだめ!」
「カァ―――――――――ラァ!」
「カラカラ、ボーンラッシュ!!!」
「カァラァ!!!」
マナオとカラカラは共に、全身全霊で壁へ立ち向かった。
「ザングース、ブレイククロー!」
「ピカチュウ、アイアンテール!」
空中で、ピカチュウの尻尾である(アイアンテール)とザングースの手である(ブレイククロー)が激突する。
『残り時間、1分』
会話の中で、会場のアナウンスが鳴った。
「残り、1分」
アナウンスが聞こえたサトシは、そう言葉に出す。一方で、相手の男もそれを聞こえて、急に焦りだした。
「くっ。しつけぇやつだな。さっさとやられちまえよ」
「悪いな。俺もピカチュウも諦めが悪いんだよ」
「ピカ」
「だ、だったら終わらせてやるぅ!ブレイククロー」
「グゥー――ス!」
ザングースは、ピカチュウ目掛けて、一気にケリをつけようと、最後に(ブレイククロー)を向ける。それを迎え受けるサトシとピカチュウも、最後の力で反撃に出た。
「ピカチュウ!お前の底力を見せてやるぞ」
「ピカァ!」
「10マンボルト!!!」
「ピィィィカァァァ、ヂューーー!!!」
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