1章「新しい旅先」
7話「トレーナー・ベストカップ 第一の試練」
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では無かった。相手であるワンリキーが通常ではなかったからだ。ワンリキー1体1体に、バトル用のプロテクターが装着されていて、防御力が上がっていた。通常のポケモンバトルであれば、ポケモンに戦闘力を上げる為やトレーニング用の道具を、装着してバトルをする事は、珍しくはない。だが、その様な状況は、一般のトレーナーでは中々出会う機械が無ければ、まだトレーナーになって3ヶ月程のマナオには、皆無だった。
「くっ。全然ダメージが入らない」
先程から、1体ずつダメージを与えていても、ダメージが余り入っていない。その上、一体を相手にしていると、別の方向から別のワンリキーによる攻撃が繰り出される。一体一体の強さも、それ程でないようだが防御力は、それ以上だった。
『残り時間、15分となりました』
アナウンスが、彼女の耳だけでなく心にまで囁いてくる。彼女の心がまた焦らせようと、弱い自分を引きずり出そうとする。だが、彼女は昨日より、この試練の中で成長していた。
「まだまだ、諦めないわよ1」
「カラァ!」
あれから、サトシやマナオ、残った挑戦者達は次々と、先へ進んではエネミーに、トラップやギミックに遭遇し、ある者は突破、ある者は引き返し、ある者は脱落していった。
『残り時間、あと5分となりました』
試練が開始して25分後、そうアナウンスが鳴った。あと、5分で制限時間が終了してしまう。それまでに、挑戦者であるトレーナーがポケモンと共にゴールした者だけが、達成となる。
(あと、5分)
「くそ、ゴールはどこだ」
サトシは、迷路のゴール近くまで進んでいたが、ゴール地点にまだ、辿り着いていなかった。
それどころか、ゴールへの道すら、中々見つける事が出来ていなかった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「ピィ〜カァ〜」
サトシもピカチュウも、進む毎に遭遇するトラップやポケモンとバトルをする事で、徐々に体力を失っていった。この25分間、走ってはバトルして、時には驚異的なトラップに立ち向かってを繰り返して来た。1年も様々な地方への冒険やジム戦リーグ戦をしてきた彼らでも、この試練は甘くは無かった。
サトシは、必死にゴール地点がある方へ向かうように迷路の中を進んでいく。すると、1枚の壁に開いた出入り口のようなものを見つけた。
「あっ。あそこっぽいな」
サトシとピカチュウは、一気に駆け出して行き、その中に入った瞬間。
「やっと来たか。待ってたよ」
その中から、何者かの声が聞こえた。
「ん?」
サトシとピカチュウが入ったその中には、一人の男とポケモンのザングースが佇んでいた。
(他の挑戦者?)
サトシは、男を見てそう思っていると。男は、サトシの顔を見てながら、ニヤついて話す。
「焦ったぜ。このまま、誰も来ないんじゃねぇかって」
「え?待ってた?」
サトシは、彼が
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