1章「新しい旅先」
7話「トレーナー・ベストカップ 第一の試練」
[15/23]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、凄く簡単に見えるが、実際に目で見ているものは、大きく違った。
「くそ。頑張れ、ピカチュウ」
ピカチュウは、大きな鉄の柱に必死にしがみつき、天辺を目指して登っていたのだ。そして、サトシは、ピカチュウをただ応援している様子でも無かった。彼も、また同じ様な大きさの鉄の柱に抱きついて、登っていたのだ。
サトシ達がいたのは、四方を壁で囲まれて、1辺15mのブロックが4つ合わさって、正方形状に作られた空間だった。その空間の中では、各ブロック中央から1本ずつの柱が伸びていて、計4本の柱がそり立っていた。柱の高さは、約12m、直径1mとなり、1本ずつに『ボタンは天辺』と書かれていた。
そこで、サトシはピカチュウと共に、ボタンを目指して登っていた。ただの木や電柱なら、過去に経験があるサトシでも、楽に登れただろう。ただし、その柱はただの柱ではなかった。構造的に完全な円柱であり、柱の素材のせいかそれとも表面に何かのコーティングを施しているせいなのかは不明だが、摩擦がしにくい仕様でもあった。そのせいで、サトシもピカチュウも手や足を力強く掴もうとしても、滑り落ちてしまう状況だった。例え12mが短いとしても、そこまで登るのに一苦労する。サトシは、靴や靴下を脱いで、両手両足を使って登ろうとして、今はやっと5mを切った所だった。一方で、ピカチュウは、何とか9mまで登りきっていた。このギミックが現れた時、サトシとピカチュウはアイアンテールで、柱を根本から折ろうとも考えた。だが、柱にあった説明書きの『ボタンは天辺』以外にも続きがあった。『注意:柱を壊された場合、ボタンも壊れる』。それを読んだ瞬間、わざでの破壊案は、すぐに白紙となった。このギミックは、ピカチュウのような地上ポケモンでなく、飛行可能なポケモンだったら、すぐにクリア出来ただろう。だが、それも挑戦者との偶然に組み合わせ次第となる。それも込みなのが、トレーナー・ベストカップの試練であった。
それから、5分かけたサトシは、漸く天辺に辿り着いた。一方でピカチュウは、2分前に到着して、上からサトシを応援していた。二人が、辿り着いた天辺には、赤色のボタンが1つずつ設置されていた。
「よぉし、ハァハァ。ピカチュウ、押すぞ!」
「ピカァ!」
二人は、同時にボタンを押した。
その頃、マナオも同様に、中間地点に到達していた。
「カラカラ、ホネブーメラン」
「カラァ」
だが、彼女は、中間地点にある次の相手に手こずっていた。今度の相手は、砲台のような機械でなくポケモンだった。マナオ達に立ち塞がるエネミーポケモンは、6体のワンリキーだった。一度に、ポケモン6匹を相手にするのは、少し厳しい状況であるが、昨日から急激に成長を見せたマナオとカラカラでは、通常のポケモンバトルであるなら、何とかなる可能性はあった。
だが、今回のバトルはそう
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ