暁 〜小説投稿サイト〜
<ポケットモンスター トライアル・パレード>
1章「新しい旅先」
7話「トレーナー・ベストカップ 第一の試練」
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「はい」
続いて、マナオの番となり、カラカラの入ったモンスターボールを取り出した。
「出ておいで、カラカラ」
「カラァ」
カラカラのスキャニングも済ませると、係の人からケースを渡された。
「これが、トレーナー・ベストカップの証を入れるケースとなります」
「ありがとうございます」
サトシとマナオは、係から貰ったケースを見た。一辺12cm程の正方形の形で、厚さ1cm程のコンパクトなケース。ケースの表面には、ベストカップのシンボルマークが描かれていて、ケースを開けると中に証を納めると思われる5つの凹んだ部分があった。
「あと、少しで会場に入れますので、この場でお待ち下さい。なお、挑戦者でない方は、入れませんので、こちらか外でお待ち下さい」
「はい」
ヒョウリは、そう係に返事をして、サトシ達は受付から離れた。


「ここに居る全員挑戦者か。100人はいるぞ」
ヒョウリが会場の待機場にいる大勢を見渡して、そう言う。
「多いですね。私、大丈夫かな」
マナオは、大勢の挑戦者達を見て、少し弱腰となってしまった。
「何弱気になってるんだ。マナオ。こういう時こそ、絶対勝つと思わないと」
そんなマナオを見たサトシは、彼女に一喝を入れる。
「は、はい!」
「そういうサトシは、大丈夫なのかよ」
「あぁ、当然だろ。俺は、今まで多くのジム戦やリーグ戦にも出たんだ。これ位で、ビビったりしないぜ」
「ピカァ」
サトシとピカチュウは、そう強い気で彼に答える。
「だが、サトシ。今回の試練は、普通のポケモンバトルとは違う。昨日、説明しただろ」
ヒョウリが、そう告げられて、サトシもマナオも昨日の事を思い出す。それは、昨日襲ってきたロケット団を撃退してから、ポケモンセンターにポケモン達を預けて、治療待ちをしている間、彼らが待合室でした会話だった。
「あれから、お前らが特訓中の間、俺もベストカップについて調べた」
「そうだったのか」
「トレーナー・ベストカップというのは、毎回第一の試練から第五の試練が用意されている」
「5つもあるんですか」
「あぁ。さっきも話した通り、開催される場所や試練の内容もランダム。内容は、当日に挑戦者達に発表するぶっつけ本番仕様で、関係者の中でも極一部の者しか知らないようになっている。また、挑戦するに当たり、持ち込めるポケモンは一体のみ。それ以外は、預けて持ち込み不可能となっている。まあ、ズルや違反を防止の為、だろう。過去に、同じポケモンを6体持ち込む馬鹿がいたみたいだし。隠してモンスターボールを持って入り、バレない所で、入れ替えたりと例年いるみたいだ」
「そんな奴がいるんだな」
「まぁ、普通に居て不思議じゃないだろ。世の中、全員が真面目や正直者じゃないんだからさ」
「俺は、絶対しないけど」
「私もです」

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