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ファイアーエムブレム聖戦の系譜〜選ばれし聖戦の子供たち〜
第一章:光をつぐもの
第1話:旅立ち
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しい若者である。丈の短い青い軍服に紺色のズボンに身を包み、その上には黒の肩当てと裏が赤地の青いマントを羽織っている。手袋とブーツの色は白い。表情は穏やかかつ優雅で気品が漂っている。セリスは微笑みながら口を開いた。
「まさか私を仲間外れにするつもりじゃないよね」
少し悪戯っぽさを含んだ笑みだった。
「しかし、セリス様を巻き込むわけには・・・」
「あれ、ラクチェまで、私を子供扱いするのかい?これでも剣の修行は充分積んでるよ。君たちと一緒に戦えるさ」
「・・・・・・・・・」
ラクチェたちはしばし考えていたが、やがて顔を上げてセリスを見上げた。
「わかりました。セリス様、共に参りましょう」
スカサハの言葉をセリスはにこりと微笑んだ。そして剣を抜き高々と掲げ言った。
「行こう、みんな。イザーク軍を追い返すぞ!」
城内が歓声に包まれた。
イザークの討伐隊三千はティルナノグとガネーシャの境にあるコーンウォール峡谷を抜けティルナノグに向けて進軍していた。山賊やならず者を兵に仕立てた者たちで構成されており、錆すら満足に落としていない斧や粗末な鎧といった武装であり、まともに隊形すら取っていなかった。彼らの前に進撃に出たセリス率いる解放軍二千が姿を表したのは三千の兵がほぼ峡谷を抜けた後だった。
「へっ!ガキどものお出ましだぜ」
解放軍を見て兵士の一人が小馬鹿にした顔で言った。
「さあてと、さっさと片付けて後はどんちゃん騒ぎと行こうぜ」
「おお」
イザーク軍討伐隊と解放軍はコーンウォール峡谷西の平野で激突した後に『ガネーシャの戦い』と呼ばれる解放軍の初めての正規戦である。兵力おいてはイザーク軍が優勢であった。しかし彼らはそれを頼みにまともな備えなく解放軍へ向かったのである。その代償は高くついた。
「いっちょ前に大剣を振り回すんじゃねえよ、ガキのくせに!」
イザーク兵の一人が解放軍の先頭に立ち大剣を構え持つスカサハに斧を投げつけた。スカサハはそれを大剣で叩き落とすとその斧を投げたイザーク兵へ突進して大剣を振り上げた。
「喰らえっ、月光剣!」
渾身の力を込めて相手の左肩から右脇へかけて大剣を振り下ろした。続けてそのすぐ後ろにいた別の兵へ滑るように横一文字に薙ぎ払った。二人の兵士は時が止まったかのように動き始めた。やがて大剣を振り下ろされた兵士の左肩からずれ落ちだし、横に薙ぎ払われた兵士の上半身が後ろへ崩れ落ちた。上半身が重い音を立てて落ちると同時に鮮血が間欠泉のように噴き出した。その時にはスカサハが三人目の兵士に唐竹割りにしていた。
「最初は反対していたくせにやるじゃないか、あいつ」
ロドルバンが半ば呆れ顔で言うとラドネイもそれに同情した。
「本当、真っ先に突っ込んで三人斬っちゃたわよ」
「流石はイザーク王家だな
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