暁～小説投稿ｻｲﾄ～:ファイアーエムブレム聖戦の系譜～選ばれし聖戦の子供たち～第１話：旅立ち

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ファイアーエムブレム聖戦の系譜～選ばれし聖戦の子供たち～

第一章：光をつぐもの
第１話：旅立ち
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ーガネーシャ城ー
　イザーク王国北東部は森林が多くまた発展の行きが届いていないイザークにおいてもとりわけ発展の遅れた地域であった。木々は生い茂り人家はまばらで少ない。ただその中でガネーシャと呼ばれる地域は土地が肥え港にも恵まれているため比較的に発展が進んでいた。
　城壁があまり高くなく規模も小さい。城内の街並みも慎ましやかでありグランベル等からみれば出城のようなもの。たがイザーク王国のこの地方における中心地ありかつティルナノグに本拠地を置く反イザーク勢力への前線基地であった。城内の一室で二人の男がいた。
　その部屋は応接間だった。ガラス窓には濃緑色のカーテンが掛けられ壁には燭台があった。暖炉の側にある二人が座る席は黒っぽい頑丈な木で作られている。
「何？今あそこにはオイフェもシャナンもいないのか」
　一方の男がいささかに驚きと喜びが混ざった声を上げた。焦げ茶色の髪に同じ色の顎髭を蓄え、黒の重厚な鎧に裏が濃い紅色の黒のマントを羽織っている。顔立ちは荒削りで大柄なその体躯と実に良く合っている。その粗野な表情と脂ぎった眼差し、怪物のようなガラガラ声、そして全体から滲み出る野獣の様な雰囲気はまるで山賊の首領であった。イザーク王ダナンである。
「はっ、先程帰還した偵察隊によりますと、オイフェもシャナンもティルナノグのアジトにはおりません。どうやら外出していて残っているのは僅かな新兵のみのようです」
　黄緑色の鎧とマントに身を包んだ中年の男が答えた。ガネーシャ城城主のハロルドである。
「そうか・・・。まさに好機だな」
「はい、仰せの通りです」
　ダナンは山犬の様な下卑た笑みを浮かべた。
「ならばグズグズするな！すぐさま一万五千の兵を以って攻撃の命令を出せ！！」
「はっ、お任せ下さい！奴らは、もはや袋の鼠。一人残らず討ち取ってご覧に入れます」
　ハロルドは席を立ち敬礼した。ダナンはそれを受けると自らも席立ち部屋を後にしようとした。
「見せしめのために手加減はいらぬ！殺せ！あのセリスという生意気な小僧とその賊共も皆殺しにせよ！！わしに逆らう者がどういう末路を迎えるか世に知らしめる為にもな」
「御意」
「わしはリボーに帰るが、良い知らせが待っておるぞ」
　そしてダナンは自らガネーシャを発ち、居城であるリボー城へ戻った。その行く先々で略奪、破壊といったさながら賊の如き有様であった。

ーティルナノグ城ー
　イザーク北西部にその城があった。イザーク王家がこの地を治めていた時代に辺境の山賊に対する出城として建てられた城であり、やがて廃城となった。長らく主のいない城であったが、バーハラの戦いでセリスとその子供たちを連れてイザークから逃れて来たオイフェとシャナンが住むようになり、やがて反ダナン勢力の拠点となった。彼らは自ら解放軍と称し盟主にシグル

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