第八十二部第三章 国債の発行その三十七
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「ご主人も凄かったしね」
「女王の伴侶ですか」
「そう、伴侶もね」
何といってもという言葉だった。
「君主には重要で」
「女王にしても同じですね」
「そう、それでね」
「当時のイギリス女王もですね」
「その人もいてね」
イギリス王家でかなりの発言権を持ち特に太子をはじめとした子供達への影響はかなりのものであった。
「長生きして」
「女王を共に王家を支えたのですね」
「そうした人だったよ」
「左様ですか」
「この人も薄毛だったけれどね」
王は笑ってこうも話した。
「これが」
「遺伝ですね」
「私は幸いね」
王は笑ったまま今度は自分の話をした。
「この通りね」
「豊かな髪の毛をお持ちですね」
「そうだよ」
見れば見事な白髪である、尚これは年齢ではなく地毛の色である。
「この髪の毛はね」
「陛下にとっては」
「気に入っているものでね」
それでというのだ。
「これからも大事にしたいよ」
「左様ですか」
「うん、そしてね」
王は王妃にさらに話した。
「私はこれからもね」
「髪の毛のことについては」
「今は特効薬もあるし」
薄毛のそれがというのだ。
「だからね」
「言われる心配はないですね」
「そう考えているよ、ただね」
「それでもですね」
「このことを言われても」
例えそうなってもというのだ。
「禿頭王とかね」
「それでもですね」
「薄毛王かも知れないけれど」
どちらでも意味は同じとだ、王は思いつつ王妃に話した。
「そうした仇名もだよ」
「受け入れられますか」
「それがね」
まさにというのだ。
「王の務めだよ」
「その一つですね」
「だからね」
そう考えているからというのだ。
「これ位はだよ」
「笑ってですね」
「そうして受け入れることは」
「王の度量ですね」
「身体のことで言われて動じることは」
それはというのだ。
「それだけでね」
「王としてですか」
「器が小さい」
「王として相応しいことではないですね」
「そうだよ、自分のことで大抵のことは言われても」
それでもというのだ。
「それを笑って受け入れなくてはね」
「王ではないですね」
「独裁者の批判は許されなくても」
この事例は多い、ヒトラーもスターリンも批判すればそれだけの死を意味した。身体のことを笑って話のネタにすればどうなるかも言うまでもない。
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