第六百七十五話 どれだけ生まれ変わってもその三
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「秘密警察のトップとしてな」
「弾圧と粛清をしていたのね」
「いや、それは仕事のことでな」
「そうしたお仕事だったってことね」
「そうだ、今の連合で言うと許されない仕事だが」
秘密警察即ち言論統制や人権弾圧に関わる仕事はというのだ、連合は民主主義であり言論や思想の自由を尊重しているのでそうした仕事は否定されるのだ。
「しかしな」
「ああ、その権限を悪用して」
「相手の弱みを握ってな」
「脅したり陥れたり」
「そうしたことばかりでな」
事実ベリヤはそうしたことを繰り返し権力の階段を登っていった、その際処刑台に送ることも常だった。
「女性もな」
「その権力使って」
「脅したりだ」
そうして関係を持ったりもした。
「拒むとな」
「粛清?」
「収容所送りにもした」
このことも事実である。
「そして死ぬまで殴って殺してもな」
「揉み消していたのね」
「一家ごとシベリアに送ったりな」
「本当の屑ね」
「まさにだ」
「人類史上屈指の屑ね」
「だからな」
フックは今度は汚物を語る顔で語った。
「俺もそう言ったんだ」
「そういうことね」
「そんな屑だからな」
それ故にというのだ。
「もうな」
「千年以上の間になのね」
「地獄に落ちてな」
「そこで責め苦を受けて」
「細菌や害虫に生まれ変わってだ」
そうもなってというのだ。
「常に消毒されたり駆除されたりだ」
「酷い死に方ばかりね」
「それでも反省しないでな」
魂自体がというのだ。
「今もだ」
「悪事を繰り返しているのね」
「そういうことだな」
「成程ね、そんな奴もいるのね」
「あまりにも魂が穢れていてな」
その為にというのだ。
「どれだけ生まれ変わってだ」
「その中で無惨な結末を迎えていても」
「忌み嫌われる存在に生まれてな」
「変わってないのね」
「そうだな」
「そんな奴も珍しいと思うが」
タムタムもこれ以上はないまでに汚いものを語る顔で述べた。
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