暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第132話:出てきた男
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 弧を描いたカリヴァイオリンはそのままキャロルの手元のヤントラ・サルバスパへと向かった。まさか弧を描いて飛ぶ武器で狙ってくるとは思っていなかったのでキャロルの反応が遅れる。

 それでもキャロルは対応してみせた。ギリギリと言うところでカリヴァイオリンはヤントラ・サルバスパの直ぐ下を通り過ぎていく。危ういところでキャロルが手を上げたからだ。
 あと一歩で聖遺物がダメになるかと言う状況を過ぎた事に、キャロルは冷や汗を浮かべた。

「ふぅ……ハハッ、残念だったな?」

 相手の策をやり過ごしたとキャロルは安堵する。言葉も交わさずあの行動に移れたことは称賛に値するが、所詮はその程度。詰めが甘かったなと油断していると、次の瞬間手に鋭い衝撃を感じ持っていたヤントラ・サルバスパが弾き飛ばされた。

「なっ!?」

 それはクリスによる銃撃だった。透の剣の投擲に視線を奪われている間に、クリスが狙いを定めて撃ち抜いたのだ。

 銃弾で弾かれて宙を舞うヤントラ・サルバスパ。そこにダメ押しと言わんばかりに透が残っていた方の剣を投擲し完全に切り裂いた。

「ヤントラ・サルバスパがッ!? くっ!?」

 目的の物が破壊された事に動揺しつつ、戻ってきた剣を防ぐ為に障壁を展開する。が、動揺が大きかったのか注意が散漫になっており明らかな隙を生み出していた。

「その隙は見逃さねぇ!!」

 クリスはここが決め時と、両肩に大型ミサイル、スカートアーマーから無数の小型ミサイルを一斉に発射した。

[MEGA DETH DUARTET]

 無数のミサイルがキャロルに向け殺到するのを見て、レイアは切歌と調を放置しミサイルの迎撃に移った。とにかくコインを飛ばし、ミサイルを片っ端から撃ち落とす。キャロルもまた同様に錬金術を用いてミサイルを迎撃しているが、兎に角数が多い為全てを落としきれない。

 そして、迎撃を切り抜けた大型ミサイルの一発が遂にキャロルへと迫る。

「はっ!?」
「マスターッ!?」

 あそこまで近づかれては、迎撃すると逆にキャロルの身が危ない。キャロルの方も錬金術による迎撃も防御も間に合わない。手詰まりと言う状況にキャロルは目を見開き、レイアは人形にあるまじき焦りを感じさせる悲鳴のような声を上げた。

 ミサイルが命中し、キャロルが倒れる様子を4人は幻視した。ファウストローブを纏っていない状態であれを喰らえばただでは済まないだろう。仮に生きていたとしても、動く事等敵わない筈だ。

 そう思っていたのだが…………

「何がどうなってやがる!?」

 ミサイルは一向に爆発しない。噴射口からは未だ火を噴き、何かとせめぎ合っているかのようにキャロルの傍で動きを止めていた。

 明らかに異様な光景に、ク
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