暁 〜小説投稿サイト〜
オズのボームさん
第七幕その二

[8]前話 [2]次話
「本当にね」
「あらゆる不思議に満ちていて」
「只でさえ楽しいことがもっと楽しくなる」
「そんなことばかりだよ」
「全くだね」
「見て見て」 
 つぎはぎ娘が陽気に言ってきました、見ればです。
 壁を歩いています、天井から壁に入り床にまでです。
 モップをかけていきます、そうして言うのでした。
「こんなことも出来るわ」
「凄いね、一周したね」
「ええ、魔法の道具を使えばね」
 一緒にモップをかけているジャックにお話します。
「こうしたこともよ」
「出来るんだね」
「そうよ、まさにこれこそがね」
 つぎはぎ娘は朗らかに踊りながらお掃除をして言うのでした。
「オズの国よ」
「不思議に満ちているね」
「外の世界で起きない様なことがね」
「何でも起きるね」
「そうなのよ」
「これはーーです」
 チクタクは本を奇麗にしつつ言いました。
「忍者ーーですーーね」
「十勇士の人達よね」
「はいーー忍術ーーでは」
 チクタクはさらに言いました。
「壁歩きーーもーー出来ますーーね」
「あの人達はね」
「ですーーから」
「あたし今忍者みたいなのね」
「そうーー思いーーます」
「それはいいわね、あたし忍者好きなのよ」
 つぎはぎ娘はチクタクの言葉にお掃除をしつつ言いました。
「煙でどろんどろんって消えたり手裏剣シュシュシュッてね」
「恰好いいわね」
「ええ、物凄くね」
 ビリーナにも応えます。
「あんたもそう思うでしょ」
「思うわ、飛ぶみたいにジャンプしてね」
「むささびの術や大凧で実際に飛ぶしね」
「それで水蜘蛛でお水の上歩いてね」
「水遁の術でお水の中に隠れて」
「泳ぎも達者でね」
「忍術を使えばね」
 エリカも言います。
「もう何でも出来る」
「ええ、魔法みたいにね」
 ビリーナはエリカにも応えました。
「体術も凄いし」
「もう超人よね」
「忍者の人達はね」
「忍者屋敷なんて素敵よね」
 ガラスの猫はこちらのお話もしました。
「もう面白いからくりだらけで」
「隠れたり逃げたりね」
「びっくり箱みたいね」
「あんな場所にも住みたいわね」
 つぎはぎ娘は壁を歩きつつ言いました、本当に忍者のそれみたいです。
「飽きないわよ」
「畳返しとか出来てね」
「そうしたことも出来てね」
「幸村さんはお侍さんだけれど」
 それでもとです、ハンクは本を運びつつ言いました。
「あの人忍術も凄いんだよね」
「あの人は武芸十八般を極めているからね」
 一緒に本を運んでいる木挽きの馬が応えました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ