第11話 祈り (高町なのは@8歳)
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私立聖祥大学付属小学校二年生、高町なのはは今日3月15日を以って満8歳になった。
例年通り海鳴市の名物喫茶「翠屋」は貸し切られ、なのはの誕生日パーティーの会場となっていた。
時刻は17時。
なのはの友人達がなのはの誕生を祝いに続々と翠屋を訪い始める。
「こんばんわ。なのはちゃん。お誕生日おめでとう御座います。」
「よーう。高町。やっと8歳になったんだって?おめでとーさん。」
とても対照的な、本日初となる祝福をしてくれたのは、なのはさんのクラスメイトの神埼晶子さんと山田くんである。
実はこの二人、名物カップルとして全校規模で有名だったりする。もっとも、本人達は未だ恋愛関係にはないと否定しているが。
ちなみに山田くんは神崎さんへ恋愛感情を抱いていることを大っぴらに認めていたりなんかして・・・その際の、「Q:ロリコン乙! A:好きになった子が小さかっただけだ!!」という漢らしい質疑応答によって聖祥私立聖祥大学付属小学校の公認勇者へとランクアップした。小学二年生の春のことである。春ってこれだから怖い。
「Good evening!! なのは、お誕生日おめでとう!」
「おめでとう、なのはちゃん。」
名物カップルに続いて訪れたのは華美なドレスと淑やかなドレス、対照的な装いのアリサ嬢とすずか嬢、なのはさんの親友コンビであった。
「アキちゃん、山田くん、アリサちゃん、すずかちゃん。今日は来てくれてありがとう。」
「いいってことよ。んじゃまー、俺らは士郎さんにお茶とお菓子をたか、挨拶してくるわ。いくぞ、神崎。」 「はい。」
流石はオフィシャル勇者の山田くん。その筋の人間を泣いて黙らせる高町士郎氏に対してすら、どこまでも自由人である。
何気なく、親友二人との会話をなのはさんに優先させる心遣いが憎かったりもする。
「あの二人は相変わらずね・・・
それよりなのは。今日のプレゼント、楽しみにしてなさい?
洒落っ気のないあんたに、この私がぴったりの物を用意してあげたんだから。」
「あはは。えっとね、アリサちゃんと私の二人で選んだんだよ。」
「あの、アリサちゃんもすずかちゃんもありがとう。
なのはも、二人のお誕生日には頑張ってお返しするの!
うーん、まず、アリサちゃんには何をプレゼントしようかなあ・・・?」
「い、いいのよ。今日はなのはの誕生日なんだから、そんなこと考えなくても。」
「そうだよ。なのはちゃん。」
アリサ嬢のツンデレ発言が、誕生日当日の人間が何故か他人の誕生日へ一生懸命思いを馳せる、という珍妙な現象を引き起こしかける。 ――しかし、この二人の御嬢様が用意したものとは一体何なのであろうか?あまり高価な物だとなのはさ
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