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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
西ゼムリア通商会議〜インターバル・後篇・前半〜
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せんわ。―――――ですが、”新たなる鉄血宰相が現れる事を阻止する為には、中央とはある程度の距離を置いているかつ決して中央が無視できない勢力として、親メンフィル派を築き上げておく必要があるのですわ。”」

「な――――――」

「”新たなギリアスが現れる事を阻止する為に親メンフィル派を築き上げる必要がある”だと?」

「しかも、親メンフィル派を築き上げようとしている理由が”中央とはある程度の距離を置いているかつ決して中央が無視できない時”とは一体どういうことだ?」

ミルディーヌ公女が口にした驚愕の目的にその場にいる全員が血相を変えている中オリヴァルト皇子は絶句し、クロウは眉を顰め、ガイウスは困惑の表情で疑問を口にした。



「前半の会議でシルヴァン陛下は、”世代”が替わればその国の皇家や政府の方針が大きく変化する事もそうですが、その国が経験した”過去”も風化され、忘れ去られる可能性がある事を指摘されていた事はこの場にいる皆様もご存じでしょう。そしてそれは”新たなる鉄血宰相の台頭の可能性”にも当てはまりますわ。」

「あ……ま、まさかミルディーヌさんは………!」

「遥か未来に皇家や政府に宰相閣下のような考えを持つ人物が台頭する可能性を危惧し、中央がその宰相閣下のような考えを持つ人物による主導になった際にエレボニアの繁栄の為に貴族達の排他もそうですが、暗躍・武力行使による周辺各国の領土の併合をするような政策をすることを諦めさせる、もしくは考え直させる為―――――つまりは”牽制する為”に”親メンフィル派”が必要だと考えられているのですか………」

ミルディーヌ公女の指摘を聞いたセドリックは呆けた後ミルディーヌ公女の目的を悟ると信じられない表情を浮かべ、セドリック同様ミルディーヌ公女の目的を悟ったレーグニッツ知事は複雑そうな表情で推測を口にした。

「はい。そしてそんな状況のエレボニアに”新たなる風”を取り入れる為の”第三の勢力”が台頭し、双方が歩み寄れるような”調整”をして頂ければ”最上の盤面”と考えておりますわ。」

「”第二、第三のオズボーン宰相の台頭”だけでなく、”第二、第三のZ(わたしたち)の台頭”まで想定しているのですか………」

「しかも”第二、第三のZ(わたしたち)が双方が歩み寄れるような調整をする”だなんて、遥か未来の子孫達に随分とハードな事を求めているのだね、ミュゼ君は。」

「皮算用するにも”程度”ってもんがあるだろうが。」

「というかミュゼは皇家や政府から”新たな鉄血宰相”が現れるかもしれない事を警戒しているようだけど、貴族からも”新たな鉄血宰相”もそうだけど前カイエン公みたいな人物が現れる可能性も十分にあるから、貴族も他人の事は言えないと思うけど。」

ミルディーヌ公女
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