西ゼムリア通商会議〜インターバル・後篇・前半〜
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ァー公爵家とマーシルン皇家の後ろ盾、そしてヴァイスラント新生軍の総主宰兼灰獅子隊を率いる軍団長たるリィン総督閣下直属の部隊の一員としての戦功による”エレボニアへの貢献”。今挙げた3つの理由だけでも、あの二人を台頭させない為の十分過ぎる”切り札”にはなりますが、クロワール叔父様同様野心深くかつ諦めが悪いあの二人に”何もさせず、完全に黙らせる為”には”皇家・政府による正式な認定”も必要になりますので。……あの二人のどちらかがカイエン公爵家の当主に就任する事はエレボニアに”第三の風”を吹かせる事で、旧いエレボニアを変えようとされている殿下達にとっても都合が悪いと愚考致しますが。」
「ハハ……やはりミルディーヌ君には”Z組”を結成した目的も悟られていたか。―――――戦後のエレボニアは腐敗した貴族によって支配され、様々な因習としがらみにがんじがらめになった旧い体制から脱却して、ようやく生まれ変われる絶好の機会でもあるのに、君の言う通り前カイエン公のように”腐敗した貴族の筆頭”と言ってもおかしくないあの二人がカイエン公爵家の当主―――――エレボニア帝国貴族の”筆頭”になるような事が起こってしまえば、メンフィルによる保護期間が過ぎれば以前のエレボニアに逆戻りしかねないからね。その点だけで考えても、前カイエン公やバラッド侯達のような選民思想ではなく、また宰相殿とは別の方向での革新的な考えを持ち、そしてアルフィンからも信頼されているミルディーヌ君が生まれ変わろうとしているエレボニアの貴族達を率いる立場に就いてもらわないと、むしろ困るのは私達皇家や政府である事は否定しないよ。―――――ミルディーヌ君がメンフィルと蜜月の関係を築き、またクロスベルとの関係もメンフィル程ではないにしても良好な関係を築き上げたという点を除いたとしてもだ。」
「私も殿下と同じ意見です。戦後荒れ果てたエレボニアを復興させることもそうですが、国民達の信頼を取り戻す為にも皇家、政府、そして貴族による連携は必要なのですから、その連携を崩す原因になりかねない人物達―――――前カイエン公のような選民思想を持つ人物達が帝国貴族の筆頭であるカイエン公爵家当主に就くような事はあって欲しくありません。」
「ま、皇子達の話によると公女以外のカイエン公爵家当主に就ける資格がある二人はあの前カイエン公と同レベルの腐敗貴族らしいんだから、消去法で考えても公女に就任してもらうしかないでしょうね。」
ミルディーヌ公女は説明をした後問いかけをし、ミルディーヌ公女がZ組の結成理由を悟っていた事に苦笑したオリヴァルト皇子は表情を引き締めて答え、オリヴァルト皇子に続くようにレーグニッツ知事は静かな表情で答え、セリーヌは呆れた表情で呟いた。
「………ミルディーヌ公女、一つ聞きたい事がある。」
「何なりと。」
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