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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
西ゼムリア通商会議〜インターバル・後篇・前半〜
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〜エルベ離宮・客室〜





「さて。後は殿下達皇家と新政府への交渉の件ですわね。とはいっても恐らく殿下達の事ですから、私が今から求めようとする”交渉内容の一部は既に察してはいる”と思われますが……」

「去年の貴族連合軍が犯した内戦での罪を今回の戦争で君達貴族連合軍の残党がヴァイスラント決起軍を結成してメンフィル・クロスベル連合に協力した事で、君達の連合への貢献に配慮した連合が敗戦後に考えていたエレボニアの領土割譲を大幅に緩和したという”功績”と相殺する事だろう?戦後のエレボニアの事を考えたら、幾ら内戦の件があるとはいえ、皇家や新政府が帝国貴族達に更なる反感を抱かれるような厳しい処罰なんて求められないからこちらとしても国民達も納得せざるを得ない内戦の件での帝国貴族達の罪を許す理由が欲しかったから、元々そのつもりではあるが、それ以外にもまだあるのかい?」

ミルディーヌ公女に話を振られたオリヴァルト皇子は疲れた表情で答えた後表情を引き締めてミルディーヌ公女に訊ねた。

「はい。メンフィル帝国が要求してきた賠償条約の第10条の内容の一部であるオルディスに設立されることになるメンフィル大使館に駐留するメンフィル軍の軍事費の内の半分の負担の件、”本来は政府が負担する分の軍事費をカイエン公爵家が全て負担します”ので、こちらが今から口にする二つの要望に応じて頂きたいのですわ。」

「な――――――」

「メ、メンフィル大使館に駐留するメンフィル軍の軍事費の半分を政府ではなく、カイエン公爵家が負担するって、一体何を考えているんだ!?」

「しかも賠償内容一つに対して”対価”として二つも求めるなんて、図々し過ぎ。」

ミルディーヌ公女の自分達に対する交渉内容を知ったその場にいる全員が血相を変えている中レーグニッツ知事が驚きのあまり絶句し、マキアスは困惑の表情で声を上げ、フィーはジト目で指摘し

「ミルディーヌ公女。まさかとは思うが、将来メンフィル帝国が誘致する異世界からの商人達がオルディスにもたらすであろう経済発展によって得るカイエン公爵家の税収に関しては政府は免除する事を要求するつもりか?」

「それは一体どういう事だ?」

「オルディスはいずれ、異世界の商品の取引によって経済が発展する事によってオルディスの領主でもあるカイエン公爵家に入ってくる税収も莫大な額に膨れ上がると思われますから、その税収の一部を政府に対する税として納める必要がなくなれば、カイエン公爵家は異世界の商人達関連での利益を”独占”する事が可能になるという事ですわ。」

「あ……ッ!ま、まさかベルフェゴールに駐留軍付きの大使館がオルディスに設立されることを一切の反論なく受け入れた貴女の思惑を私達に教えるように伝えた理由は、その為だったの……!
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