第六百七十四話 そっくりだったその十三
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「この人生では生きてきた環境は普通でも」
「それでもか」
「これまでの人生においてです」
「良心を備えてこなかったか」
「世の中そうした人もいますね」
「普通に生きていても」
「これはそもそもこれまでの一生でなのですが」
それでもというのだ。
「一度も良心を持ったことがなく」
「今回もか」
「魂の因縁らしく」
その為にというのだ。
「二十世紀の人間としての一生からです」
「ベリヤとしてのそれからか」
「餓鬼に生まれ変わり」
そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「一度もか」
「輪廻の中で」
一度もというのだ。
「良心を持ったことはなく」
「今回もか」
「ないので」
良心を持ったことはというのだ。
「もうこれはです」
「魂の因縁か」
「はい、そして」
それでというのだ。
「今もです」
「普通に育ってもか」
「良心を備えていないです、悪事を行っても」
「平気か」
「ことが露見しなければ、また露見しても」
そうなってもというのだ。
「裁判で無罪にならない限りはです」
「何でもないか」
「平気です」
「とんでもない奴だな」
「言うならサイコパスです」
それになるというのだ。
「また徹底的に残虐で陰湿で卑劣です」
「どんな悪事もするか」
「二十世紀の人としての一生から」
「それで餓鬼になってもか」
ここで言ったのはタムタムだった。
「変わらなかったか」
「はい、そうした性根で餓鬼としても」
「最低だったか」
「長きに渡って餓えと渇きに苦しめられても」
報いを受けたがというのだ。
「変わらず」
「それでか」
「数えきれないだけ細菌や虫に生まれ変わっても」
「そういえば虫って言っても色々よね」
ラビニアがここでこのことを話した。
「そうよね」
「はい、それは」
セーラもその通りだと答えた。
「そうですね、彼が生まれ変わってきたのはゴキブリや蠅や蚊といった」
「害虫だったのね」
「ムカデだった時もあります」
「ムカデは虫じゃないけれど」
「害虫と言っていいですね」
「ええ」
まさにというのだ。
「それはね」
「ですから見付かり次第すぐにです」
「駆除されてきたのね」
「細菌だった時もです」
「そっちは消毒ね」
「徹底的に忌み嫌われ」
そうなっていてというのだ。
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