第二章
[8]前話
その様にして心から楽しんでいました、ですが。
お家の窓にでした、真っ白い毛の猫が出て来て彼等に聞いてきました。
「君達何をしているのかな」
「うわっ、何だこの猫」
「とんでもなく大きいぞ」
「十キロ以上あるんじゃないか?」
「人間の子供位の大きさがあるぞ」
「悪いことしたら駄目だよ」
猫はガラスの窓の向こうから穏やかな声で言うだけでした、ですが。
そのとんでもない大きさにピーター達はびっくりしてです、文字通り脱兎となってお庭から逃げ去りました。
そしてマクレガーさんのお家から離れたところでお話しました。
「何あの猫」
「僕あんな大きな猫見たことないよ」
「僕もだよ」
「下手な犬よりずっと大きいよ」
「トイプードルやポメラニアンの三倍近くなかった?」
そうした犬と比べて言う子もいます。
「あんな大きな猫に襲われたらひとたまりもないよ」
「あっという間に食べられるよ」
「あんな猫がいるなんて」
「怖くてとても行けないよ」
「だから行ったんだ、マクレガーさんのお家猫が増えたみたいだけれど」
皆と一緒に逃げたピーターも言います。
「とんでもなく大きな猫が来たらしいって聞いていたんだ」
「それがあの猫だね」
「また大きいね」
「あんな猫がいるんじゃ迂闊にお庭に行けないよ」
「襲われたら大変なことになるよ」
「だからだよ」
それでと言うピーターでした。
「あのお庭には行かない様にしよう」
「そうだね」
「それがいいね」
「あんな猫がいるんじゃね」
「行ったら駄目だよ」
皆も言います、そうしてです。
皆暫くマクレガーさんのお庭には行きませんでした、それは森の烏からその大きな猫も他の猫も家猫でお家の外から出ないと聞くまででした。それまでは決して行きませんでした。そして家猫とわかると窓越しに他の猫達とも一緒に仲良くお話する様になりました。
ピーターラビットのお話U 完
2022・7・31
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