第二章
[8]前話
お父さんがお店の人にお話して持って来てもらった二本の小さな棒、お箸を頂きました。そのお箸を前にしてです。
トムはどうして使うのかと考えました、ここでお母さんが右の前足にそのお箸を持ってみてトムに言いました。
「こうよ、鉛筆を持つみたいでね」
「鉛筆をなんだ」
「そう、こうして持つのよ」
「こうかな」
トムはお母さんの持っている通りに持ってみました、ですが。
持つことは出来ましたが動かせません、それで驚いて言いました。
「動かせないよ、とても」
「こうすればいいのよ」
お母さんは自分が持っているお箸を動かしてみました、そして海老蒸し餃子を摘んでお口の中に入れてみました。
「出来るかしら」
「ううん、こうかな」
トムは動かそうとしました、ですが。
お箸はぽろりとトムの右の前足から落ちてしまいました、それでトムは泣きそうになって言いました。
「駄目だよ、動かすどころじゃないよ」
「今すぐには無理なんだ、お箸を使うにも練習が必要なんだ」
そのトムにお父さんが言いました。
「だからトムはこれからだよ」
「お箸を使う練習をすればいいんだね」
「そうだ、そうすれば動かせる様になって」
そうなってというのです。
「それを使って食べる様になるぞ」
「そうなんだね」
「お家に帰ったら時々でも練習していこうか」
「今はフォークとスプーンで食べなさい」
お母さんはトムに優しく言いました。
「いいわね」
「うん、そうするね」
「それじゃあ食べましょう」
「そうするね」
「いただきます」
「いただきます」
ずっとお兄ちゃんを見ていたミトンとモペットも言いました、そうしてです。
家族全員で美味しいものを食べました、その後でお家に帰ってトムは妹達と一緒にお箸の使い方の練習をはじめました。すると暫くして使って食べられる様になりました。お父さんとお母さんと同じ位に。
子猫のトムのお話U 完
2021・12・29
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