イエローオーブ
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き方に感嘆の溜息を漏らしながら、テーブルの上に黄色い宝玉を1つ置く。
「エコナ…これって…」
アルルが期待を込めて彼女に尋ねる。
「せや…アルル達がお探しの『イエローオーブ』や!結構な値はしたけど受け取ってや」
「ありがとうエコナ!これでバラモス城へ行く事が出来るわ!」
アルルはイエローオーブを両手で持ち、心からエコナへお礼を告げる。
「でな…別に交換条件ってわけやないんやけども…リュカはんにお願いがあるんや…」
エコナから改まって話しかけられるリュカ…
即座に顔を曇らせる。
「何…?面倒な事言われるくらいなら、イエローオーブは要らないよ!」
先程までの立派な子育て感を台無しにする台詞は、流石リュカであろう。
「ちゃうねん!交換条件やない!オーブはもうアルル等の物やねん…如何なる理由でも、返してもらうつもりは無いねん!」
「じゃ、何?」
愛人からのお願いに、邪険な態度の男…
何故にもてるのだろうか?
「先日な…イシスの女王自ら、この町を視察に来たんや。その時な…自慢されたんや…女王様の娘を…『見て見て!私とリュカの、可愛い娘よ!』って………ウチ、めっちゃ羨ましくて!だからウチにもリュカはんとの子供が欲しいねん!」
「「「「…………………………」」」」
誰もが言葉を失う…
それくらい突飛なエコナの願い…
「う〜ん………まぁいいけど………早速、今晩頑張ってみる?」
軽い…凄く軽い口調で了承するリュカ。
「ちょ…父さん!そんな非道徳的な事を簡単に了承しないで下さい!」
当然ながら真面目っ子ティミーが強く反対する。
「何?簡単じゃ無ければ良いの?難しく考えた結果なら良いの?」
「そ、そう言う意味では…」
「それに、もう慣れろよ!お前、腹違いの妹が何人居ると思ってるの!?」
最早、皆諦めムード…
そんな中でティミーだけが頑張ってはいるのだが、リュカの非常識ぶりは覆らない。
「か、母さんからも何か言って下さいよ!」
何とか母の力を借りようと、ジト目で睨むビアンカへ縋る息子。
「………」
「大丈夫だよビアンカ…エコナが終わったら、直ぐに君の番だから!足腰立たなくなるまで頑張っちゃおうね!」
何時もの様に明るい口調でウィンクするリュカ。
そんなリュカの台詞に黙って頷く妻…もう彼女の頭の中は、足腰立たなくなる事への期待でいっぱいの様子。
「ちょ…」
尚も食らい付こうとするティミーの、服の裾を引っ張りマリーが止める…
声には出さず口だけを動かし「もう諦めて」と兄を止める…
エコナの屋敷に勤めるメイドの後日談だが…
「翌日のお屋敷は、至る所で独特の香りを漂わせてましたわ…エコナ様の寝室以外も…複数のお部屋から…」
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