第五百十四話 英雄が敗れた地でその十四
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「結構せこいこともするしな」
「はい、時々それで困ります」
リリルカが実際に困った顔で応えた。
「ヘスティア様神様の権利強引に使おうとするんで」
「そうなんです」
サンジョウノも言うことだった。
「本当に」
「そうしたところがあるので」
エイナもリリルカと同じ顔で言う。
「困ります」
「何が困るんですか?」
ベルだけはわかっていない顔で言ってきた。
「一体」
「うん、ベル君のことだよ」
ヘスティアがそのベルに応えた、項垂れた顔でそうした。
「全く君はどうなんだ」
「あれっ、僕神様に何かしました?」
「何もしてないけれど気付いて欲しいんだ」
ヘスティアは殆どの者がわかる言葉を出した。
「本当にね」
「俺も気付いたぞ」
タクミはヘスティアの側に立って話した。
「ベル、君はもう少し周りを見るんだ」
「戦いの時はそうしないと死にますし」
「そういうことじゃなくてだ」
タクミは真面目に返した。
「君の周りの女性陣のことを見てだ」
「そうしてですか」
「考えることだ」
「本当にあんまりだね」
イサミもタクミに続いた。
「ベル君は何とかならないかな」
「誰を応援することはしないが」
ゲルドは恋愛沙汰への口出しはよくないと考えそうすることにした。
「しかしベル殿についてはどうかと思う」
「そうだね、僕の気持ちがわかるね」
「はい、ですがヘスティア様のやり方は時としてです」
「駄目だって言うのかい?君も」
「リリルカ殿達の言われる通りです」
まさにというのだ。
「どうかという時があります」
「そうなんだね」
「俺達はいいと思うけれどな」
でろりんはヘスティア寄りの姿勢を崩していない、そして自分のパーティーの面々にも言うのであった。
「そうだよな」
「ああ、本当にな」
「それ位強引でないとね」
「駄目だぞ」
「流石世界を救った人達の一人だよ」
ヘスティアはでろりん達のこのことも話した。
「あのいいこと言うね」
「まあ宜しくやってくれよ」
仮面のアルデバランはリリルカ達にもエールを送った。
「坊主も早く気付けよ」
「何かわかりませんがそうします」
ベルはまさに気付いていない者の返事で応えた。
「僕も」
「そういうことでな」
こうした話も戦いの中でしていった、戦士達は死闘の中でもリラックスするところはして戦い続けていた。
そして戦いが三日目の終わりに近付いた時には。
「減ってきましたね」
「ええ、そうね」
舞衣は沙耶香の言葉に頷いた、二人の手には刀がある。
「今回の戦いも」
「そうなってきましたね」
「やっとだよな」
海堂が変身しているオーガが言ってきた。
「ここまできたな」
「そうですね、ですが」
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