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展覧会の絵
第十二話 ジェーン=グレンの処刑その十三
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「本当にね」
「性格が悪い相手とは一緒になるべきじゃない」
「その人は誰に対してもそういう性格だったのかな」
「そうだね。気に入らない相手にはね」
「平気でそういうことをしたんだね」
「高校に入ってから中学で同じクラスだった女の子に聞いたんだ」
 そうしてだ。何がわかったかというと。
「凄く意地が悪くて自己中心的な娘だったらしいね」
「つまり性格はかなり悪かったんだね」
「弱い者いじめも好きだったらしいし」
「本当に最悪の相手だったんだね」
「そうみたいだね」
「じゃあ尚更一緒にならなくてよかったよ」
 そこまで聞いてだ。十字はまた言った。
「君にとってね。本当にね」
「そうなんだね」
「それでその娘はどうなったかな」
「僕を振った彼女?」
「そう。その人はどうなったのかな」
「違う高校に行ってね」
 和典は希望に言われるまま話す。その自分を振った相手のことを。
「そこで凄く嫌われてるらしいね」
「性格が悪いからだね」
「部活、ソフトボール部らしいけれど」
 その部活でもだ。どうだというのだ。
「そこで先輩には媚を売って自分より弱い同級生をいじめたりポジション争いのライバルに意地悪をしたりね」
「そういうことばかりしてるんだね」
「そう。だからね」
 和典はさらに話していく。
「凄い嫌われてるらしいよ」
「成程ね。じゃあ尚更ね」
「告白が受け入れられなくてよかったんだね」
「僕はそう思うよ」
 十字はこう和典に答えた。
「君は確かに傷ついたけれど」
「それでもだったんだね」
「その傷は癒せるよ。今そのことは言われるかな」
「もう誰にも言われないよ」
 中学の時は言いふらされて周りからも言われた。だが今はだというのだ。
「過去のことになったよ」
「過去は消えないけれど癒せるよ」
「実際に今癒されてるよ」
 現在進行形でだ。そうなっているというのだ。
「この部活にもいて。クラスメイトはいい人ばかりで」
「また新しい恋は見つけられたかな」
「あっ、それは残念だけれどね」
 それはどうかとだ。和典は少し苦笑いになって答えた。
「なってないよ」
「それまではまだなんだね」
「やっぱり。ダメージがでかかったからね」
 失恋の傷、それはまだ完全に癒されていなかった。だからこそだというのだ。
「次の恋愛を見つけることはね」
「無理なんだね」
「怖いね」
 実質的にはだ。そうだというのだ。
「正直なところね」
「そうなんだね。じゃあ今は」
「こうして部活を楽しんでクラスで友達と遊んで」
 そうしてだというのだ。
「楽しく凄くことにするよ」

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