第五百十四話 英雄が敗れた地でその十
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「皆が飲むものだからな」
「稼ぎ方があるんですね」
「だから儲けたいと思ったら俺に言え」
お茶を使ってならというのだ。
「相談料を貰って相談に乗ってやる」
「それで嘘教えるんですね」
佳乃は真顔で言った。
「酷いですね」
「俺は詐欺師か」
「叡山さんですから」
「俺もそんなことするか。金を貰ったらな」
相談料、それをというのだ。
「ちゃんと儲け方を教える」
「そうですか」
「そうだ、詐欺なんかするか」
絶対にというのだ。
「お茶のこともな」
「そうだといいですが」
「まあイメージといいますか」
夏夜が言ってきた。
「買収のお話がありますから」
「もう禁止されているからしないぞ」
「本当ですか?」
「柴犬に誓ってな」
大好きなこの生きものにというのだ。
「言っておくが俺は無駄に暴力は振るわないからな」
「けれど立ち退き要求して滅茶苦茶したんですよね」
このことは未夕が言った。
「地上げ屋さんみたいに」
「古い言葉知ってるな」
「そうですか?」
「ああ、しかし金になっても弱い者いじめはしない」
絶対にという口調だった。
「俺にもやることとやらないことがあるんだよ」
「えっ、お金の為なら何でもするんじゃないんですか」
藍里は本気でまさかという顔になって問うた。
「叡山さんは」
「WUGでの俺の評判が悪いのはわかった」
「お金の為ならまさにです」
「何でもするっていうんだな」
「そうじゃないんですね」
「違うからな、俺のイメージは何処まで悪いんだ」
WUGの中でというのだ。
「仙台で仕事は出来ないか」
「ほやとかタンとかですね」
今度は実波が言ってきた。
「笹かまぼことずんだ餅と」
「どれも美味いんだがな」
「まあ確かに叡山さんって言うとお金ですね」
「あんたもそう言うな」
「はい、丘ねの為なら」
「本当に仙台で仕事出来ねえな」
「いえ、機雷ではないですから」
真夢も叡山に話した。
「私達も嫌いならこうは言わないですよ」
「本当にそうか?」
「長いお付き合いですし」
このこともあってというのだ。
「叡山さんのいいところもわかっていますから」
「そうなんだな」
「ただ金に半端ではなく汚いだけなんだよな」
ポップは叡山についてこう言った。
「ただな」
「半端なくなんだな」
「それで買収もしたらしいがな」
「容赦ないな、あんたも」
「けれど人間ではあるな」
「だから人間相手に金儲けしているんだ」
「スサノオについたり外道にならねえな」
「弁えるところは弁えてるんだよ」
叡山にしてもというのだ。
「これでもな」
「じゃあ闇金とかはしないですね」
ハードコア=アリスも先入観から言う。
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