第五百十四話 英雄が敗れた地でその六
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それを見てだ、ヨモギは笑って述べた。
「見せてもらったよ」
「どうでしょうか」
「いい使い方だね」
余裕と包容力のある笑みでの言葉だった。
「実際にね」
「そうですか」
「ああ、けれどまた来たよ」
オルフェノクの大群がというのだ。
「だからね」
「それで、ですね」
「また戦うんだね」
「はい、そうします」
「ではここはです」
「私達が行くわ」
「雷覇さん、お助けします」
ノワール、ジョーヌ、ベールのジョノワーズが来た。
「敵の数は増えましたが」
「雷覇さんは次に雷神を放つまで時間がありますが」
「その間は私達がお守りします」
「連続で放てますが」
雷覇はジェノワーズの面々にこのことを話した。
「宜しいですか?それでも」
「流石に連続は負担がかかりますよね」
「あれだけの威力ですから」
「ですから無理はされないで下さい」
「そうそう、無理は駄目よ」
神威も来て言ってきた。
「先は長いんだしね」
「そうなんですね」
「そうよ、任せるところは任せてね」
そうしてというのだ。
「戦っていきましょう」
「そう言われるなら」
「ええ、そういうことでね」
神威も戦闘に参加した、そうして雷覇が次に雷神を放つまで彼をジェノワーズの面々と共に守るのだった。そこにはジョーカーもいた。
智樹はその戦局を見てまた言った。
「イカロス達休んだ方がいいか」
「ええ、そうね」
一美が応えた。
「もうそろそろね」
「一旦休んでもらうべきですね」
「そうした方がいいわ」
「わかりました、イカロス戻れ」
智樹は一美の言葉に頷いて指示を出した。
「ニンフとダイダロス、アストレアもだ」
「私もなの」
「そうだ、もう疲れてきているからな」
アストレアに両手を口に当てて大声で告げた。
「休め、代わりにカオスとハーピー達が入る」
「私も行きます」
風音日和も言ってきた。
「いいですか?」
「大丈夫か?まだ二時間位しか休んでないだろ」
「二時間も休みましたのね」
「いや、二時間しかだろ」
智樹は強い声で返した。
「だからな」
「私はまだですか」
「無理はするな」
「そうですか」
「俺が行くよ」
橘清音が出て来た。
「それでいいかな」
「お願い出来ますか」
「うん、ここはね」
「それじゃあお願いします」
「まさか日和ちゃんを休ませるなんて」
一美はこのことに驚いていた。
「そうしたなんて」
「いえ、まだ十分じゃないと思ったんで」
智樹は一美に微笑んで答えた。
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