第五百十四話 英雄が敗れた地でその四
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「だからだ」
「今はか」
「攻撃だけだ」
ミサイルのそれのみというのだ。
「それで敵の数を減らしていくぞ」
「わかった、それじゃあな」
「君達もだ」
カイザは今度はそれぞれの世界の仲間達に話した。
「今は突撃をしないでだ」
「距離を取って戦うんですね」
「そうだ、決して前に出てはいけない」
カイザはたまに答えた。
「その時が来ればまた言うが」
「今はですね」
「遠距離攻撃に専念してな」
その様にしてというのだ。
「敵の数を減らしていこう」
「わかりました」
「空からでもですね」
わかばがカイザに聞いてきた。
「距離を取って」
「迂闊に敵の上空に出ても同じだ」
「集中攻撃を受けますね」
「そして倒されるからだ」
それが目に見えているからだというのだ。
「決してだ」
「今はですね」
「空からでもだ」
「前に出ないで」
「その場で戦ってくれ」
「わかりました」
わかばはカイザの言葉に頷いて応えた。
「ではここで、です」
「戦っていこう」
「そうしていきます」
「実はですの」
セシリアがわかばに話してきた。
「ワーテルローでもイギリス軍は守っていましたの」
「そうだったんですね」
「はい、丘の上でそうして」
そのうえでというのだ。
「フランス軍の攻勢に耐えていました」
「だから私達もですね」
「ここは守って」
そうしてというのだ。
「戦っていく方がいいです」
「迂闊に攻めないで」
「そうしてです」
「どのみち敵は自分達から来ている」
紗雪はその敵を見て述べた、オルフェノクの大群は幾ら倒されても臆することなく前に出て来て丘を上がってきている。
「それならだ」
「こっちが出る必要はないですわね」
空からみかりが言ってきた。
「そうですわね」
「それには及ばない」
「来る敵を倒すだけですわ」
「何ということはない」
「そうだ、敵は自分達から来てくれる」
カイザもその通りと話した。
「それならだ」
「迂闊に出ないで、ですわね」
「来る敵を倒せばいい」
「そうですわね」
「出る時は出ればいい」
カイザはこうも言った。
「そして出る必要がない時はだ」
「出なかったいいですね」
「そういうことだ」
カイザは虹海にも答えた。
「だからだ」
「ここはですね」
「前に出ずにな」
「戦うんですね」
「そうだ、君も力を使うことはない」
敵を自分の思い通りに出来るそれはというのだ。
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