第八十二部第三章 国債の発行その二十一
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「それこそがです」
「最も合う」
「当店のパティシェとソムリエが力を合わせて考えてくれました」
この組み合わせをというのだ。
「そうしてくれました」
「左様ですか」
「ですから」
「個々の味だけでなくですね」
「組み合わせもです」
それもというのだ。
「完璧です」
「そうですか」
「はい、ですから」
「最後の最後まで、ですね」
「楽しんで下さい」
「そうさせて頂きます」
シェリーニはローエンハイムの言葉に頷いた、そうしてケーキを食べた。そのうえでまた言うのだった。
「上品な味わい、まさに」
「貴族の味ですね」
「最後の最後まで」
デザートと共にあるワインまでというのだ。
「実にです」
「素晴らしいですね」
「こうした味を薄いと言うなぞ」
シェリーニはこうも言った。
「それこそです」
「連合の、ですね」
「あの国らしいですね」
「味がわかっていないですね」
「味がわかっていないので」
それでというのだ。
「薄いだの何だのと言って」
「シェフの自慢の料理にクレームを付け」
「そして香辛料や調味料を山の様にかける」
その料理にだ。
「それがです」
「どうもですね」
「実に連合です」
「その野蛮さが」
「癪に障るところもあるだけに」
金はしっかり払い暴力は振るわず国際法も守ることだ。
「余計に腹が立ちます」
「そうですね」
「まさに」
シェリーニはケーキを食べつつローエンハイムに応えた。そうしてまたワインを飲んでそれから店内を見た。
その店内を見て今度はこう言った。
「店内も荒らされませんでしたか」
「貴族趣味が何だかんだと言っていましたが」
「それでもですか」
「はい、それでもです」
店の中のものを壊したりする様なことはというのだ。
「決してです」
「しませんでしたか」
「そうでした」
連合軍はというのだ。
「他のお店と同じくです」
「百貨店やデパートでもそうでしたが」
「中の商品を買い漁っても」
それでもだったのだ。
「全くです」
「お金は払い」
「チップさえですね」
「弾む位で」
「そして店内も破壊しない」
「店員にも手を出さない」
「そうしたことを当店でもです」
他の店にした様にというのだ。
「しました」
「野蛮な紳士でしょうか」
「野蛮な紳士というと」
それはというと。
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